勁草法律事務所 介護福祉編トラブル駆け込み相談所

勁草法律事務所 介護福祉編トラブル駆け込み相談所

介護福祉の業界でよくあるトラブルについて、弁護士の立場で回答をしました。少しでも早い解決に向けてお力になれれば幸いです。どうしたら良いか迷ったら、まずは弁護士へご相談ください。

西丸 洋平
弁護士 西丸 洋平
片島 由賀
弁護士 片島 由賀

従業員の労務問題に関するQ&A

Question

問題行動が多い従業員に退職勧奨をしたいのですが、合意を得るときに気をつけるべきことは?

Answer

退職に合意したといえるかは慎重に判断。勧奨の程度や態様に注意が必要です。

 退職勧奨の際のやり取りでいわゆる売り言葉に買い言葉になり,その中で相手側が退職するといったとしても,これで当然に合意が成立したといえない可能性があります。合意の意思が確定的といえるかは慎重に判断される傾向があります。
 解雇と評価される勤務継続は今後難しいという話がなされている流れでは,一応応じる態度を見せても確定的な同意とはされにくい可能性があります。また,退職届を記入して提出したということは確定的に退職の意思を示したことの現れの一つにはなりますが,その前に強く退職を要求する行為があり,その録音や記録がある場合には,これで十分合意をしたとは言いにくいという可能性もあります。

 仮に従業員が同意をしたというのであれば,意思確認を行ったうえで(これは勧奨をしたのとは別の方がいいでしょう)退職届出に署名としてもらう方が真意といいやすくなります。何かしらの給付が存在すれば真に合意をしたといいやすくはなります。

 口頭でのやり取りは記録に残りにくいので,議事録その他で記録にしておいた方がいいでしょう。退職に消極的な相手ほどトラブルになる可能性もありえますから,どういう相手にどういったタイミングで対応をしていくかはよく考えておく必要があります。

 さらに退職勧奨の場面では,拒否をはっきり示しているのに侮辱行為を受けた・スキルに比べて過小な仕事しかさせもらえない等の理由(パワーハラスメント)から慰謝料の請求をされることもありえますので注意が必要です。

クレーム対応に関するQ&A

Question

利用者の方の施設などでの記録を家族が取り寄せることが出来るでしょうか?

Answer

利用者の居宅介護支援記録や業務記録等は個人情報

 介護サービスや福祉サービスは,要介護度その他利用している方の氏名や住所・病歴・健康状況などが載せられている可能性があります。個人を識別させる情報は「個人情報」とされ,利用目的や第三者の開示について法律で規制されています。居宅介護事業所の個人情報の取り扱いについては、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」を参考にするとよいでしょう。

 特に,個人の病歴や犯罪情報等を記載した情報は「要配慮情報」と呼ばれ,第三者への開示などについてかなりの規制を受けています。過去病気になった経歴,健康診断の結果・発達障害や精神障害・身体障害などの記載があるものが該当するとされています。注意点は,単に介護や処遇をした記録であれば該当しないという点です。もちろん,ここでいう「要配慮情報」とそうではない個人情報が交じり合うという形は想定されるので,取り扱いに十分注意が必要になってきます。

 個人情報や要配慮情報の開示ルールについては法令で定められていますが,たとえ家族であっても法令の扱いでは「第三者」となります。そのため,利用者ご本人からの開示請求でないので,法令上の要件を満たす必要があります。
① 警察や裁判所・弁護士会から照会がある場合
② 利用者ご本人の生命や身体に関する必要がある場合でご本人の同意を得ることが困難である場合
が大きなものです。

 このほか官公署からの照会(①も含まれます)や児童虐待防止などの必要がある場合もあります。①は,弁護士に依頼をしての照会の場合や民事裁判での裁判所からの照会の場合も含みますが,通常は今回触れるように事前の照会への対応をどうするのかという点が問題になるものと思われます。②は治療などのために必要だけれどもご本人の同意を得られない場合などです。

 特にトラブルになりかねない場面では情報開示は必要なものの,開示自体でトラブルにならないように注意をする必要があります。介護などの契約の場面で署名代理のみで認知症の可能性が極めて高い方でも契約をご本人が行った形になっているケースもありますが,場合によっては後で大きなトラブルになる可能性もあります。
 場合によっては市町村や地域包括支援センターなどの機関と相談しながら連携を取ることもすべきでしょう。

介護事故などへの対応に関するQ&A

Question

就労継続支援サービス提供中,利用者の間で事故が起きた場合,対応の注意点は?

Answer

事故がどのようなものであるかにより,事故防止を図る義務違反の有無や違反があると損害賠償請求の問題が生じることもありえます。事故発生の原因が利用者の問題特性や人間関係に基づくものか、職員の配置その他の対応が取れたかが問題となりえます。業務記録の記載も重要になってきます。

 就労支援のサービスを提供している場合には,雇用の場を提供しているとともに,障害福祉サービスの提供という側面があります。サービス提供中の事故ということであれば,サービス提供を行うにあたっての安全な環境やもめごとが起きないように,障がい特性を把握したうえでのトラブル防止を図る義務が一般論として事業者にあることから,この違反があったか問題になります。違反があれば損害賠償請求の問題が生じることもありえます。

 例えば暴力行為があったのではないかとされている場合に,そうした行為があったのかどうか問題になりえます。利用者の間で暴力行為があったのか自体が問題になっている場合に,特にケガの話もなく,実際にあったとされる頃何かしら暴力の話もなかったという場合には,暴力行為があったかどうかを問題にする必要があります。ここで安易にあったことを前提に話をすると,別にトラブルになりかねないという問題が出てきます。仮に,A型事業所で労災にあたるということが問題にされた場合,当然事実関係は問題になるので,きちんと事実関係の把握をしたうえでの対応が必要になってきます。

 他方で実際に暴力行為があった場合には,どのように管理されていたのかは問題になります。問題特性(行動面での問題や心理面の問題など)を把握していた・人間関係が悪くトラブルに至る可能性(その前から小競り合いがあったなど)の場合には,たとえ成人同士の話としても同じ現場に職員を配置するその他の対応が取れたのではないかということが問題になることもあります。ここは実際にはケースごとの状況や人員を配置するなどが可能だったのかどうかなどが重要な点となるので,業務記録でどのように書かれていたか等の把握が重要になります。これは事後の話ですが,事前には声掛けなどの対応でトラブルが起きないように,大きくならないようにしておく必要があるでしょう。

利用契約に関することに関するQ&A

Question

利用者の方と契約することで進めていますが、判断能力に疑問があります

Answer

判断能力が疑わしい場合は成年後見人など、法律で定められた代理人を立ててもらってから契約する必要があります。成年後見人以外は代理できる範囲に制限がありますので、どういったことに同意が必要か確認しましょう。

介護関係のサービス提供を利用されている方との利用契約にあたっては、利用を考えておられる方が、契約内容などを理解し、判断できることが必要になります。ただ、実際のところ高齢の方や障害をお持ちの方を対象にしたサービスの場合、契約内容など十分に理解することが難しいことがよくあります。その場合には、法的な事柄について判断ができる人を代わりに立てることが必要になってきます。サービス利用を考えている方の判断能力の程度によって、法律上、成年後見人・保佐人・補助人いずれを立てるか検討することになります。これらの制度の利用にあたっては、医師の診断書などが必要になってきます。成年後見人は常に判断能力を欠く状況にある場合につくため、法律行為全般にわたって代理をすることになります。これに対して保佐・補助人は一定程度は判断できる場合があることを想定したものですので、どういった行為について同意が必要となっているか、確認が必要になります。これらの手続きの利用びあたっては利用を考えている方本人、妻(夫)、一定の範囲の親族から裁判所に申立があること、といった要件があります。

勁草法律事務所が
大切にしていること

介護福祉業界の経営者の方が抱えるお悩みは従業員の雇用をめぐるトラブル、利用者からのクレーム・ハラスメント、介護事故など多岐にわたります。

私たちの使命は困難な中にある経営者の方に少しでも道しるべを提供できるよう、サポートすることです。私たちはこれまでの経験を活かし、些細なご相談・素早い対応が求められる緊急な状況でも、可能な限り迅速にかつ効果的な解決策を提案できるように尽力いたします。

分かりやすく身に付く内容

急ぎの対応が必要な
場合も対応します

土日・祝日や夜間・出張相談を行い、その後の対応を含めて迅速な法的サービスを提供します。

費用面を明確に提示し、 不安をなくします

弁護士報酬の明確化、見積書の作成を行い、契約前にご説明させていただきます。

相談者様の立場になった 対応をいたします

ご相談・ご依頼いただいた方の納得が得られるよう最大限努力・傾聴・説明します。

早くから弁護士のサポートを得ることで解決できることがたくさんあります。後悔しないためにも、1人で悩まず、お気軽にご相談下さい。

  • 法人の場合、1回目のご相談は無料です。

私たちがお答えします。
介護福祉勉強会講師・相談対応等の経験あり

西丸 洋平
弁護士 西丸 洋平
片島 由賀
弁護士 片島 由賀
弁護士 西丸洋平

従業員の方の問題、利用者やご家族の方のクレーム対応・行政対応など様々な問題があります。
寄り添って対応をさせていただきたいと考えています。

弁護士 片島 由賀

従業員の方の処遇や言動などへの対処、利用者や家族をめぐるトラブルなど、介護業界特有の問題への対応が必要となります。一見小さいと思えるトラブルが大きな火種となることもありますので、早めのご相談をお勧めします。

ご相談の流れ

法人様の場合は1回目のご相談は無料!
オンライン(ZoomやLINE)・電話相談も可能です。

ステップ
01

相談のご予約

お名前・ご住所・ご連絡先・大まかなご相談内容をお知らせください。

  • 当事務所にて相手の方から既にご相談等をお受けしている場合、ご相談をお受けできないことがございますので、ご了承ください。
ステップ
02

相談日時の決定

担当弁護士のご希望・女性弁護士のご希望がございましたら、 お知らせください。

ステップ
03
ここから相談料がかかります ※法人様の場合は無料

弁護士による法律相談

ご来所の場合には、まずご相談室(個室)で法律相談票をご記入いただきます。 出来ましたら、ご相談内容をまとめたメモ、関係する書類をご持参ください。

お電話
当日弊社より予定時刻にご連絡させていただきます。
LINE
お友達登録が必要となるため、別途方法をご連絡させていただきます。
Zoom
PC又はスマートフォン・タブレットを準備いただき予定時刻にURLからご参加ください。

弁護士費用についてもご相談の際ご説明させて頂きます。
お見積書を交付させていただきますのでご検討いただいた上でご依頼ください。

ご相談費用

初回打ち合わせの目安:30分 5,500円(税込)
※法人様の場合は無料です。

個人事業主様(副業を含む)・法人向けに下記のようなサポートプランをご用意しております。

無料サポートプラン

価格 無料
相談方法
  • メール
  • 電話・FAX
  • Zoom・LINE
  • チャットワーク
対応範囲 契約書チェック
対応件数 年3回まで(1回1時間以内)

シンプルプラン

価格 ¥10,000/月(税別)
相談方法
  • メール
  • 電話・FAX
  • Zoom・LINE
  • チャットワーク
対応範囲 小さな金額債権回収サービス
対応件数 月1回まで

ライトプラン

価格 ¥20,000/月(税別)
相談方法
  • メール
  • 電話・FAX
  • Zoom・LINE
  • チャットワーク
対応範囲 小さな金額債権回収サービス
対応件数 月3回まで
  • 会員登録費用(登録料:税別1000円/月)は別途必要です。

メールフォームもしくはお電話で
お問い合わせ・相談日時の予約をお願いします。

オンライン(Zoom・LINE)、電話相談対応可能
お急ぎの方はこちら
082-569-7525
9:00〜18:00 日曜祝日休
お気軽にお問い合わせ下さい
勁草法律事務所