髪の毛を色持ち良く染めたいという場合に利用するのが酸化染毛剤です。これは医薬部外品に指定されており、酸化染料がアレルギー性皮膚炎の原因物質となる成分を含んでいるとされています。
　平成１９年には、日本ヘアカラー工業会が「注意表示自主基準」を定めており、ヘアカラー施術４８時間前に必ず皮膚アレルギー試験（パッチテスト）を行うようにすることなど、「必須表示８項目」を定めています。厚生労働省の通達（「染毛剤、脱色剤および脱染剤の使用上の注意について」）が定められ、その後も通達が出され、注意喚起が呼びかけられています。
　理美容師の方はパッチテストの記載がある薬剤を使用されるときには、リスクの説明や過去のヘアカラーでのかぶれなどの有無の確認が必要といえます。
　契約上も、ヘアカラーを行うにあたって、お客様の体調や皮膚の状況に注意を払う、お客様に過去アレルギーを起こしていないか聞き取る等のコミュニケーションをしっかりとるとともに、気になる場合には記録化する、施術の際の説明書兼同意書への記入を求める、といった対応がお客様の健康状態によっては必要なことがありうるでしょう。