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法律のいろは

2019年7月18日 更新契約問題のご相談

「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」が公表されました

はじめに

 今年初め、介護サービスの利用者、ご家族から介護施設の職員に対するハラスメントについて取り上げました。

 その際に、厚生労働省が現在介護現場でのハラスメントに関するマニュアルを整備しているところ、とご紹介しましたが、この度(2019年3月)有識者による検討委員会を踏まえて、介護事業者向けのマニュアルが公表されました。

 今回はその概要についてご紹介します。

介護現場における利用者やご家族らによるハラスメントの実態は?

 以前、この問題を取り上げた時にも触れさせて頂きましたが、本マニュアルでも介護現場での利用者や家族らによるハラスメントの実態とその影響について紙面が割かれています。

 これによると、平成30年の1年間でみても、利用者からのハラスメントを受けたことのある職員は、介護サービスにより割合は異なるようですが、2割から6割と高い割合を占めているとのことです。

 ハラスメントの内容では、訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、居宅介護支援等では精神的暴力が多い一方で、特定施設入居者生活介護や介護老人福祉施設、認知症対応型通所介護などでは精神的暴力に加えて、身体的暴力が多い傾向にあるとのことです。施設の入居者の状況により異なっているように思われます。

 こうしたハラスメントを受けた職員は、怪我や病気になった方が1~2割、仕事を辞めたいと思ったことがある方が2~4割と割と高い比率を占めています。

 

ハラスメントの発生原因とその対応は?

 こういったハラスメントの発生原因について、管理者らからは

・利用者や家族等の性格・生活歴

・利用者や家族等のサービスの範囲の無理解、理解の低さ、過剰な期待

・利用者や家族らの認知症等の病気や障害

を理由に挙げています。

 上記のうち、利用者や家族の性格や認知症などの病気が原因と思われるものについては、治療など以外で対処が難しい側面があります。ただ、サービス内容の範囲の理解が十分に行われていないことが原因と考えられる場合については、サービス契約時に説明を工夫することで対処が可能といえます。実際にこのあと触れます対策のところでもそのことが出てきています。

 ただ、実際のところ、管理者等からみてそもそもハラスメントかどうかの判断が難しく、そのため未然防止や解決に向けた取り組みが取りづらいという傾向があるようです。

 また、職員が利用者や家族らからハラスメントを受けても管理者の方が十分に聞き取りができていなかったり、職員に問題があると対応したり、あるいは職場でハラスメントのことを相談しにくいケースもあるとのヒアリング結果も出ています。

 事業者のハラスメント防止対策については、発生時の対応方法に取り組む事業者の割合は比較的高い反面、防止対策に取り組む事業者の割合は低いとのことです。

 他方で職員の方からは、ハラスメント対策として利用者や家族らと事業者、施設による相互の確認、相談しやすい体制整備、事業所内での情報共有、利用者、家族への啓発活動などが特に必要と考えられているようです。

ハラスメント対応として事業者は具体的にどう取り組めばよい?

 マニュアルでは、前述のようなハラスメントの発生原因、事業者の取っている対応、職員の希望なども踏まえて、具体的に事業者はどんなことに取り組めばよいのかについて、介護事業者の実践な事例も紹介しながら取り上げています。

 基本的な取り組みとしては、事業者としてハラスメントにどう取り組むかの基本方針をまず決定し、職員と共有すること、契約時に利用者や家族にも周知すること、対応マニュアルの作成や共有、役割の明確化、報告、相談しやすい窓口の設置、介護保険サービスの業務範囲などの理解と対応の統一を図ること、などがあげられています。

 対応や報告のフローチャート例や、利用者や家族に対する周知の仕方については、具体的に施設で実施されている方法も取り上げられていますので、参考にするとよいでしょう。

 また、どんな場合にハラスメントにあたるかについて利用者や家族らが理解、認識できていないところがあるため、契約の際にサービスの範囲を理解してもらえるように説明するとともに、契約解除になる具体的なケースを例示するというのも一つです。

 さらに、ハラスメントが繰り返されるケースの対処も踏まえ、日ごろから行政や地域包括支援センター、医師、介護支援専門員などとの連携の重要性、ハラスメントが発生する家庭でかかえる問題の行政との共有、検討の必要性などについても記載されています。

 

まとめ

 今回のハラスメント対策マニュアルは発生時の対応のみならず防止策についても詳しく書かれていますが、すべてについて取り入れるのは施設の規模からも難しい場合もあるでしょう。

 ただ、慢性的な人手不足が言われる介護業界にあっては、働く職員が安心して働ける環境づくりが以前にもまして重要になってきています。ですからこういったマニュアルも参考にしながら、事業所での体制整備などに役立てて頂ければと思います。

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