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法律のいろは

2019年1月9日 更新契約問題のご相談

介護現場における利用者からのハラスメントへの対処法とは?

 平成30年11月15日に広島市域通所サービス連絡協議会様の勉強会で、上記をテーマに講師をさせて頂きました。平成30年7月には,介護職員でつくる労働組合アンケート調査をした結果が公表されたこともあり厚生労働省も調査に向けて動いています。今回はこの勉強会でお話しさせて頂いた内容の概要をお伝えいたします。

ご利用者・ご家族からのハラスメント経験はどのくらいあるのでしょうか?

 先日公表されました、ご利用者・ご家族からのハラスメントに関するアンケートの調査結果報告書(日本介護クラフトユニオン)によりますと,アンケート回答者(女性2100名程度・男性300名弱)のうち,ハラスメント経験者は7割、そのうちセクハラ4割、パワハラは9割以上被害に遭ったことがあるとの結果が出ています。

 こういったハラスメント自体は実は10年以上もあったものの,これまで十分に実態把握されていなかったことから今回調査されたということです。

ハラスメントとは?パワハラ・セクハラとは?

「ハラスメント」とは、いろいろな場面での「嫌がらせ」「いじめ」のことを言いますが、〇〇ハラスメントという形で様々なシチュエーションで使われています。

 そのうち、比較的早いうちから聞かれるようになった、セクシュアルハラスメント(セクハラ)やパワーハラスメント(パワハラ)ですが、これらはいずれも職場内でのことについて規定したものです。セクハラについては、雇用機会均等法で定めがありますが,パワハラについては,厚生労働省のパワハラに関する指針に定めがあるのみです。パワハラについては、先日(11月16日)の報道で,今後法制化の動きがあるようです。しかし,今回取り上げています,介護現場における利用者などからのハラスメントについては、一般的な法律(刑法や民法)による以外には、これといった規制がないのが現状です。

介護職員へのハラスメントが起こりやすい背景事情とは?

 こういった介護施設でのハラスメントが起こりやすい背景事情として,以下の4つがあるとされています。

1 介護サービスを利用する本人や家族が高齢化により心身の機能が低下

2 利用者側は「お客様」,当たり前との利用者側・家族の発想

3 サービス提供をする場が「密室」という特殊性

4 介護職員の方のプロ意識の強さ

 1のご利用者,ご家族の高齢化に伴うものとしては,認知症など、ご本人等の意思にかかわらず行動を止められず、自分自身や周囲を思い通りにコントロールできないことへの大きな怒りや不安から来るものが考えられます。これは家族など身近な人への暴言・暴力にも共通するものといえます。

 また、3については相手の住居に入ってマンツーマンでサービス提供する訪問介護は身体的にも精神的にも距離が近くなりやすく、セクハラ・パワハラ被害のリスクが高まるといえるでしょう。

 さらに、いったところで解決できない、ハラスメントを受け流せてこそプロとの意識の存在も伺わせます。

ハラスメントに遭った場合にどうすればよい?

 先にも述べましたように、介護現場における利用者などからのハラスメントについては、一般的な法律(刑法や民法)による以外に規制がないのが実際のところです。

 警察沙汰となると、利用者・家族との関係を考えて躊躇することもありえます。ただし、あまりにもひどいケースの場合には毅然とした対応を取る必要もあるでしょう。

 事案によっては、セクハラでも強制わいせつなどにあたるケースなどもありえますが、被害が「密室」の中のことであるだけにあった・なかったとなる可能性があり、しっかりした裏付け(証拠)が必要になってきます。動画や録音か何を取っておかないと証明が難しくなってくるでしょう。

 また、認知症の場合は、刑事・民事での責任能力があるかどうか(犯罪にあたるとわかってしていたといえるか)が問題になる可能性もあり、難しい問題を抱えています。

 実際の対応策として、何名かの方に具体的に伺いましたが、

・勤務シフトを交替したり、男性の担当者に替える

・複数人で行かせる

というのも一つでしょう。

・他の職員と問題を共有しておく。

・介護職員を含めて施設の方もハラスメントについての知識を学ぶ・ハラスメントのかわし方などについて研修を行う

というのも具体的な対応策として考えられるところです。

 さらに、サービス提供に関する契約でこういったハラスメントがあった場合には解約できる条項を設けておく・利用者や家族の側にもどういう場合がハラスメントにあたるかの啓もうを行うということも考えられるでしょう。

 先のアンケートでは、「上司に相談してもまともに取り合わないことがある」との回答もみられたところです。介護業界については、飲食業・建設業など雇用の流動化が顕著な分野と比較しても離職率が高いと言われています。特に経験年数が少ない若手職員に対するフォローは意識して行う必要があるでしょう。

 厚生労働省もこの内容を受けて,平成30年度中に介護現場でのハラスメントの実態調査を行うことになったとのことで,今後ハラスメントの対応マニュアル作成・介護事業者の方に配布予定とのことです。こういった対応マニュアル等も参照して、対応策をあらかじめ検討・準備しておくことが大事でしょう。

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