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法律のいろは

2019年5月24日 更新時事問題(法改正・最新の裁判例など)

民事執行法改正案が成立しました(お金の回収時の相手の財産開示の強化や子供の引渡しルールの明確化)

はじめに

 既に平成31年3月上旬に民事執行法の改正案が国会に提出されていたということで,主にお金の回収の話を中心に改正の背景など、メールマガジンで伝えさせていただきました。この度正式に改正法案が成立し,1年以内に大半が改正される内容になります。

 今回は,前回触れていない子供の引き渡しルールの明確化の内容とともに,財産開示の内容など、概要をご紹介します。

そもそも何が改正されたのでしょうか?

 今回の民事執行法の改正では,大きく分けて,

① 一般のお金の回収について,回収を受ける側の財産開示手続きが強化されたこと

② 反社会的勢力(いわゆる暴力団関係者)が競売で買うことが規制されること

③ 給料などの差押さえと回収について,届出がない場合終了になること

④ 差押えができない部分の拡大に関すること

⑤ 子供の引渡し手続きの明確化

になります。

子供の引渡し手続きの明確化とは?

 子供の親権などが大きく争いにならない限り問題になることはもちろんありませんが,子供の連れ去り(ここに女性側が子供を連れて出て行った点を含めるかどうか・どこまで入るのかはこれ自体で大きな問題となります)があった場合の引渡しに関しては,法律で決まりがある部分とない部分がありました。

 ここでは細かくは触れませんが,親権者の間では一般に家庭裁判所を通じた引渡し手続きによるものと現在の裁判例では考えられています。緊急の引渡しについては手続きを行うべき期間がかなり厳格に定められていますが,こうした緊急の引渡し手続きを含め,細かい引渡し自体の手続きは定められていませんでした。

 ここで注意が必要なのは,国外への連れ去りについては別途法律があり,国内での連れ去りに関して,連れ去りがあった後に引渡しを命じる裁判所の判断が出たときの手続きに関する決まりはありませんでした。もちろん,実際には引渡し手続きはなされていましたが,裁判所の判断でルールを埋めていたという話になります。大まかに言うと,幼児は直接の引き渡しを行う・そうでない場合には引き渡さないことで罰金的なペナルティを与えるというのが最近の傾向でした。

 これまで直接の引渡しによるべき場合等のルールが明確ではなく,実際の引渡しも裁判所の職員(執行官)という方と一緒に相手の住む家などに行き,そこに子供がいない(居留守の場合を含む)・相手が説得に従わない場合には,引渡しの手続きが空振りに終わることがありました。

 改正によって,引渡しをしない場合の罰金的なペナルティを原則とするものの,自発的な引渡しが望めない等の事情から必要性と相当性が認められる場合、直接の引渡しができるという形にしています。こうした紛争の場合に自発的な引渡しが望みにくいこともありえますから,直接の引渡しによるべき場合もある程度は出てくると思われます。

 また,直接の引渡しの場合も子供と引渡しをする親が一緒にいなくてもできるようになるとともに,裁判所の職員も説得以外の対応ができることになり,一部ではありますが,権限が強化されています。ちなみに,ごく最近最高裁判所で,子供の側が引渡されることを嫌がりその意思が自発的といえる場合(ある程度の年齢であることは必要です)には,引渡しが命じられてもその手続きを行うことが制約される旨の判断が出ています。今回の改正も,子供にとってあまり負担をかけないことを前提にしていますから,先ほどのケースでは同じように引渡し手続きが制約される可能性があると思われます。

財産の開示などの改正は?

 改正のメインになる点は

・財産開示の手続きを使うことができる場合が増えた

・財産開示の手続きに応じない場合の相手へのペナルティを強化し,実効性があるようにした

・財産開示の手続きで,相手の財産の有無を銀行などや法務局・年金事務所等の機関に照会できるようになった(これは新設です)

になります。このうち,年金事務所等は相手方の勤務先を実質照会する内容のものになりますから,給与差押へのインパクトは大きくなるでしょう。法務局への照会に関するものが今後2年以内に改正内容になることを除けば,今後1年以内に変更される見通しですので,影響は大きくなります。

その他

 差押禁止部分は変化をせずに拡張の申立てをしやすくなるように,差押えが効力を生じてから実際の回収ができる期間を拡大しています。その他,差押えの申し立てから一定期間が経過しても回収の状況について報告をしない場合には、差押命令の取消しができるようになりました。これは,差押えによって財産が処分できないようにすることと回収を実際に行うことは別という話を前提に,財産を処分できないようにしておきながらいつまでも回収がどうなったか分からないようでは困るという話からなされた改正です。

 いずれにしても,お金の回収などの実現手段が変化するもので,影響は大きくなるものと思われます。

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