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法律のいろは

2018年12月29日 更新時事問題(法改正・最新の裁判例など)

建設現場での「働き方改革」のための法改正

    国会で関連法案が成立しました「働き方改革」。建設業など個別の業種のいくつかでは,長時間労働の是正などの話とともに・生産性の向上や経営力の向上をどう図っていくかの審議が国の審議会(国土交通省の審議会)でなされています。許可制度の改定も含めた建設業法の改正なども視野に入れた中間報告が少し前に出されましたので,今回はこの話を触れていきます。

そもそも何の話なのでしょうか?

 ここ数年の建設現場での労務などの問題としては社会保険の加入に関する話がありました。それにとどまらず,建設現場での構造的な問題を解決し,生産性を高めた現場を実現するための国の施策が議論されています。
こうした流れの中で,建設業の許可制度の見直しも含めて検討していく中で,長時間労働の是正や現場で働く方の処遇改善・生産性の向上など「担い手」を確保するための国の施策のための議論を取りまとめたのが今回触れる中間報告になります。

内容は?

 先ほど触れましたように①長時間労働の是正他のための施策候補②処遇改善のための施策候補➂生産性向上のための施策,が主に検討されています。

① 長時間労働是正のための施策
  「建設工事についての適正な工期に関するガイドライン」が昨年策定されましたが,要は工期(納期)がタイトに設定されてしまうと,それに間に合わせるために一日当たりの労働時間が長くなります。そのため,タイトな工期が設定されないように,「適正な工期」を定める際の基準を明確化していくという話が挙げられています。今後先ほど触れましたガイドラインを基に,国が基準を明確化していく方向であるとされています。
   

    工期の設定は,請負工事の完成・引き渡し期限ですから,発注者側と受注者側の契約によって設定されるのが通常です。ここでの施策はこうした設定に関して規制を課していくことを述べるものですが,発注者側から設定される場合もありますし,受注を受けるために受注者側からタイトな工期を提案することも考えられます。ここでの議論もそうした点を踏まえ「工期ダンピング」とも言える,こうした工期の提案をしないように(通常は見積もりを行うことを規制する)規制を行う点が述べられています。
  

    こうした規制への違反に対する制裁は明確化まではされていませんが,行政側から是正をするように勧告を行う方向が示されています。ちなみに,こうした勧告の対象となる「不当に」タイトな工期は,請負代金額と配置の人数を考慮してケースごとに考えていくとされており,代金額を多くして人の配置を多くできる場合には,同じ工期の設定でも不当とは言いにくい方向性が示されています。
    このほか,発注者側としての公の対応として,公共工事における工期を平準化していく方向性も検討されています。

 働き方改革関連法のうち,長時間労働の規制についての罰則付き上限規制は法律改正後5年以内に建設業での適用される予定です。今回の中間試案でのテーマは現場従事者の確保を目指すという目的が強いですが,工期をタイトに設定することで,工期を間に合わせるために長時間労働の慣行が形成されてきたという点を重視しており,この点がどうなるのかは注目すべきように思われます。

② 現場の従事者の処遇改善
   簡単に言えば,現場従事者の年齢が若年層を確保できていないという問題意識を前提に,給与を上昇させていく方向性・社会保険の加入を更に進めていくことを検討しています。このうち,給与を上昇させていく施策の方向性としては,現場で従事している方の知識や技能を向上させる,キャリアアップに応じて給与がアップするような制度を作ることが検討されています。

   その中には工事の内容によっては一定の技能レベルの指定を発注者側が受注側にできる制度(これには,レベル設定と資格取得の組み合わせなどが考えられるでしょう)を作ることも挙げられています。キャリアアップした従業員を抱えることの受注者側のメリットをも示し,品質につながる技能の確保とキャリアアップが給与に結び付く仕組みを作るのが主眼と考えられます。
  

   後者の社会保険についてはこれまでの取り組みを進めていくのが基本線です。そのうえで,未加入が発見された場合には建設業の許可を更新しないなどの対応をとること・下請け代金の中で労務費相当部分は現金払いを徹底化するように規制を設けることが挙げられています。

➂生産性の向上
    限られた人員での人の確保と仕事の効率化を進めること・工業製品の活用・重層的な下請け構造の改善が挙げられています。その中には技術者の配置を不足が生じないように共同できるような仕組みなどが検討されています。ここでは詳細は省略します。

    このほか,地域における建設業の持続性確保のための施策の打ち出しも検討しています。主には高齢化が進む中で現在の規制のままでは担い手がいなくなる点も危惧し,建設業の許可及び更新の要件の緩和などが検討対象になるとされています。同じ観点から事業承継をできるだけ進めていけるよう許可や更新の制度を検討していくとされています。

まとめ

 今後の課題として,こうした検討点をどうしていくのか・民法改正なども踏まえて標準約款をどのようにしていくのか等別の観点からの検討対象もありますが,「働き方改革」や地方の建設業の活性化を目指してどのような施策が進められていくのか注目されるところです。

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