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法律のいろは

2017年6月24日 更新残業代・賃金

飲食チェーン店の直営店の店長に関する残業代(最近の裁判例)

管理職・店長は残業代は出ないのか?

 管理職になると残業代が出ないという話はよく聞くところでしょうし,そうした取り扱いをしている会社は多いものと思われます。実際,法律上も「管理監督者」と呼ばれる方はいわゆる残業代のうちの時間外・休日に関する割増は不要となります。ちなみに,休憩に関する法律の規定も適用されません。

 これに対し,「深夜残業」(夜10時以降朝5時までの勤務分)に関する割増賃金は必要となります。有給休暇も必要です。ここで,時間外・休日に関する割増賃金を与えなくてもいいという根拠との兼ね合いで,ここでいう「管理監督者」の意味が重要となってきます。今回は,既に別のコラムで行政機関の考え方や以前の裁判例を触れましたが,最近出された裁判例を通じて再度こうした点について触れてみたいと思います。

 弁当や飲食を展開するチェーン店(直営店)に関する裁判例

 これまで,飲食店を広く展開している企業の「店長」が先ほどの「管理監督者」にあたり,残業代の支払いが不要となる部分があるかどうかは裁判例が出ているところです。今回は,フランチャイズのほかに直営店を展開している飲食業の企業における直営店の店長がどうかが問題になったケースです。そのため,フランチャイズ店で同じように当然になるわけではありません。また,飲食店でなくても直営店を展開している場合には,同様に考えられる部分もあるでしょう。

 

 問題となったケースでは,店長も務めた元従業員が退職後に,割増賃金(残業代)と付加金(簡単に言えば,残業代の未払いがあった場合に追加的に求めるお金ですが,裁判所が諸般の事情を考慮して支払うべきかどうか・金額を決めるものです)・慰謝料請求をしたものです。

 主な争点は,請求した従業員が「管理監督者」にあたるか・実際の勤務時間がどれくらいか・付加金の支払いが必要か・慰謝料支払い義務を会社が負うか等です。このケースに限らないと思われますが,法律の規定を利用して,未払い残業代を裁判で請求する場合には,退職の日から支払いまで1年14.6%の利率をつけて請求することがあります。法律では,支払いがなされていない割増賃金に関して「合理的な場合」により裁判などで争っている場合は,その判断が出るまで先ほどの14.6%部分はこれよりも低くなります。

 ここでの「合理的な場合」可も争点となっています。

 

 「管理監督者」に当たるかどうかは,裁判所の判断ではこれまでの判断を踏襲しています。

 ①労働条件やその他労務管理について経営者と一体のものといえる

 ②勤務時間や休憩・休日に関する法律の規制を超えて活動するほどに重要な職務と責任を持ち,実際の勤務態様もそのよう  

 にいえるか

 がポイントとなります。職務内容・責任・権限・勤務態様・賃金などの待遇を総合考量するとされています。

 

 そのうえで,職責や権限に関する事柄として人事や店舗運営に関する権限内容・他の同等の権限を有すると考えられる別の職位者が管理監督者であるかどうか・勤務態様等・賃金などの待遇に関する事実の認定と考慮をしています。結論から言えば,職責や権限に関して自由裁量の幅が店長にそこまでは存在しない・勤務時間は会社の規定上は自由裁量を持っていたものの,実際にはシフト勤務の従業員が足りない場合は店長自身が従業員と同等の仕事をせざるをえず,それが長時間に及ぶ⇒実際には勤務時間の裁量はないと評価される・店長には大きな手当が存在するものの,長時間勤務に対する待遇として十分とは言えないこと等を述べて,「管理監督者」とは言えないと判断しています。

 ここで,賃金などの待遇面では,特別な手当の存在のみを考慮するのではなく,こうした手当を含んだ元従業員(店長時代)の年収と会社の従業員全体の平均年収の比較・長時間労働が多かった点への補填として十分かを考慮しています。そのため,ここでの判断を前提とすれば,単に手当が存在すればいいのではなく,他の従業員と比べて十分高い代償といえるのか・勤務時間の実態を補てんするものといえるのかを考えて手当や給料制度を考える必要が出てきます。

 

 このケースでは,先ほどの「合理的な理由」があるのかどうか・慰謝料の支払い義鵜を会社が負うのかも大きな争点となっています。前者については,裁判手続きなどで相応の理由をもとに争いがある場合には合理的な理由があるとされており,このケースでも「合理的な理由」があると判断されています。後者については,残業代未払いに関しての慰謝料請求は,こうした未払いによっては賄えないぐらいに,長時間残業と残業代未払いなどの態様が悪質であることを要すると判断しています。結論としては,慰謝料の支払い義務を否定しています。

 

 このように,これまでの判断を踏襲した面を有するとともに,賃金などの代償待遇などの細かな面で参考になる面もあろうかと考えられます。

 

 

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