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法律のいろは

2016年6月5日 更新残業代・賃金

管理者は残業代が出ない(?)(その③)

 管理職などは残業代が払われない会社が多いと思われますが,どこまでが法律上管理職(用語上「管理監督者」といわれます)なのかは,裁判例がある程度積み重ねられているところです。既に,このテーマで一般的な管理監督者とはどんな方か・管理監督者で出ない残業代の範囲はどこまでかという話は触れてきました。今回は,実際の裁判例で最近,管理監督者の範囲をどう考えているのかについて,触れていきます。

 

 数年前に,ハンバーガーチエーンに関する裁判例が報道されましたが,どこで用いられた基準を使って考えている例が多いように思われます。今回は,この例ではなく比較的近いところで,別の業態で管理監督者に当たるのかどうかについて触れた裁判例に言及していきます。

 

 管理監督者が問題となるのは,時間外・深夜・休日残業のうちの深夜残業以外の部分となります。そのため,休日勤務と時間外勤務の割増賃金の請求に対して,管理監督者に当たるから発生しないという言い分を会社側からすることになります。多くは,勤務時間がどの程度であったかという点とともに,争点になることが多いでしょう。

 

 問題となったケースは,ガソリンスタンドなどを経営している会社に勤務していた元ガソリンスタンドの所長が未払い残業代を請求したケースです。争点は主には,先ほど挙げた点になります。

 

 裁判所は,経営側と一体となって労働時間や休日などの規制を超えて活動せざるを得ないほど,重要な役割を与えられている,勤務時間に広範な裁量を持っている・給料面でも権限と責任に照らして他の従業員よりも十分なものをもらっていることが,管理監督者には必要と判断しています。そのうえで,仕事の内容や責任権限・勤務態様や給料面の処遇など様々な要素を考慮して総合的に考えていくと述べています。

 

 実際にどこまでの権限を持っていたのかといった事実関係は会社と従業員側で争いになっていたようですが,裁判所はおおむね次の通りに事実を認定しています。問題となった従業員の方にある程度の権限はあったものの,自由に営業時間を変更したり,仕入れ先との交渉や価格決めをするまでは権限を持っておらず,お金の管理も会社側(代表者の親族等)が行っていた・出勤管理表をその従業員が作成はしていたものの,その月の休日はミーテイングで決めていたなど自由に出勤管理をできるとまでは言えなかった・従業員の給料を変更する権限まではなかった等というものです。このほか,出退勤に関する裁量がなかったことや所長になる前後で給料面の処遇で差がなかったことも認定されています。

 

 こうした点を踏まえ,先ほどの基準から,管理監督者とは言えないと判断されています。勤務の態様や権限や仕事の内容など事実面で争いがありえますが,裁判例が依拠しうる一つの基準として,こうした判断はなされる傾向にはあるようです。そのため,労務管理の際にも一つの注意する指標になるのではないかと思われます。

 

 

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