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法律のいろは

2017年4月28日 更新労働問題のご相談

残業代を支給しないという合意を従業員や労働組合としても,残業代の支給義務はあるのでしょうか?

 ニュースで,労働組合と残業代不支給の合意をしていたところがあったという記事を見かけましたので,表題の記事を取り上げます。ただ,最近は労働組合の組織率は小さい点もありますので,さしあたり,個別の従業員の方と残業代不支給の合意をした場合に,残業があっても残業代を支給せずに済むのかという話を取り上げたいと思います。

 

 ちなみに,こうした合意には予め支払いをしない(請求をしない)ものと一度残業が発生した後に残業代を放棄してもらうという意味で合意をするものがあります。まず,予め残業代を支払わないという合意は法律上無効となりますから,支給義務は残ります。これは,次の理由によるものです。

 残業は労働基準法という法律で厳しく規制をされており,いわゆる36協定というものがない限りは会社が命じることはできません。また,こうした規定を従業員側と会社が結んでいても,残業代(時間外・深夜・休日の割増賃金)の支払い義務を会社は義務付けられています。そして,労働基準法では,法律で規制を加えている事柄について,その規制内容よりも従業員側に不利に合意をしたとしても無効であるとさだめています。

 そのため,残業代の支払いが義務付けられているのに,それよりも従業員側に不利になる支払いをしないという内容を合意していても無効となります。そもそも,長時間労働への規制問題が厳しくなっている・よりよい人の採用が難しくなっている現在において,こうした合意があること自体がリスクになることもありますので,そもそもこうした取り決めをしておくかどうかはよく考えた方がいいでしょう。

 

 次に,一度発生した残業代(残業の事実があった後の話)を放棄してもらうという点については裁判例上厳しい判断がなされています。支給義務があるとされる場合が出てきます。給料に関しては全額支払う義務が会社側には課されており,あくまでも従業員側が放棄をすると示した場合に,そこから変わってくるにすぎません。ただし,書類上放棄をしたと記載されておいても,会社と従業員の力関係の差があるために,自由な意思で放棄をしたと認められない場合が出てきます。あくまでも自由に放棄をしたと認められる場合(そうした裏付けとなる合理的な事情がある場合)に,こうした放棄の意味を認めるという判断になります。

 こういう話になってくると,単に残業代は放棄して清算をします,という内容の書類に記載してもらうということでは足りませんから,こうした書類を用意しておけばいいという話にはなりません。後々でトラブルにならないようにするというのであれば,自由に放棄したと言っていいだろう事情が存在する必要があります。こうした点は裁判になった場合には会社側で立証する必要がある点を注意しておく必要があります。

 

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