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法律のいろは

2016年5月26日 更新労働問題のご相談

試用期間中の本採用取り消しはいつ行うことができるかを判断したケース(裁判例の紹介)

 従業員を採用した場合に,その方が新卒(第2新卒)であれ中途採用であれ,試用期間を付けているケースが多いのではないでしょうか?多くの中小企業では中途採用がほぼすべてで新卒採用は少ないという場合が多いと思われますが,試用期間の意味自体は変わりません。

 

 採用前の面接ですべてを確認するのは実際には難しく,試用期間中の様々な事情により本採用が難しいという場合が出てくるかもしれません。こうした試用期間はどんな意味があり,試用期間中の本採用拒否はできるのでしょうか?

 

 新卒の方についてですが,数年前にこうした点を扱ったケースがありますので,今回はこのケースを触れてみたいと思います。

 

 まず,試用期間に関しては古い最高裁の判断が存在します。試用期間中には,雇用契約の解約権が留保されていること・本採用後のいわゆる正社員における解雇の場合と比べれば,会社側の本採用拒否の裁量は大きいと判断されています。ただし,あくまでも裁量が大きいというだけであって,まったく合理性のない理由で本採用拒否が許容されているわけではありません。解雇の際に要求される理由の合理性と解雇が相当であるという点自体が少し緩和されたものというイメージが近いと思われます。

 

 次に,試用期間の最中に本採用が難しいと会社側が判断した場合に,試用期間満了時に本採用ができないという場合と試用期間中でも途中で本採用を拒否する場合で何か違いは出てくるのでしょうか?今回紹介するケースでは,就業規則などに試用期間の満了前までに解約をできるという定めがない場合についてのものでした。

 

 こうした規定(つまり,試用期間と解約権の行使時期の意味)について,裁判所は本採用不適当と会社が考えた方について,試用期間満了時に本採用しないということを定めた意味であると解釈しています。そのうえで,従業員の適性や能力などをみるために試用期間(このケースでは6か月)が設けられた点などを鑑みて,期間満了前の本採用拒否には強い合理的な理由と拒否が相当であることが必要であると述べています。

 

 この裁判例の考え方(高等裁判所の判断)によれば,試用期間満了前の解約(解雇)についてはハードルが高くなることになります。この判断は,試用期間とその満了についての契約解釈を行ったもので,すべての試用期間途中での本採用拒否に直ちにあてはまるものではないと考えられます。

 

 その理由として,あくまでも先ほどの判断は試用期間満了前の解約についてのはっきりした定めがない場合についての契約解釈として行われているためです。通常は,適性などの見極めから本採用拒否に至るのでしょうから,こうした点をはっきりと就業規則なり雇用契約書で定めておくことは必要と考えられます。

 

 ちなみに,こうした定めを置いたとしても,あくまでも解約を正当化するだけの合理的な事情と解約が相当であることを示す事情自体は必要です。本採用拒否に至る場合には紛争が起こりかねませんので,どのような行動がお互いにとって余計な負担をもたらさないかを考えておくことは重要な意味を持つでしょう。

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