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法律のいろは

2019年8月13日 更新労働問題のご相談

退職する従業員に秘密保持や競業禁止の誓約書を書かせることに問題はあるでしょうか?

退職の際の誓約書の意味と限界は?

 従業員が退職する際に,勤務中に得た顧客情報や業務で得たその他有用な情報を持ち出されたら困るという点はあります。在職中であれば,就業規則や雇用契約で当然負う義務として秘密を守る義務があります。同様に副業に関連しますが,自社の業務に支障を及ぼすような副業を制限することは可能です。これに対し,退職後は基本的には誓約書等で合意をしてもらわないことには(書面で記録に残しておく),こうした義務を負ってもらうことはできません。例外は,一般に知られておらず・有用な・秘密として管理されている情報を持ち出して営業を行う等の場合ですが,こうした情報に該当するためには管理その他のハードルが存在します。

 

 こうした例外に当たる場合以外には,誓約書あるいは秘密保持契約書という形で,どこまでの情報を秘密として公開しない・違反するとどうなるのか・秘密の保持はいつまで行う必要があるのか等,いったい何をいつまで秘密にしておく義務を負うのか等を定めておく必要があります。ここでの違反の場合の話はいわゆるペナルテイということを意味します。この書面は署名をしていた場合には,全く知らない等ということを言うのは簡単ではありませんから,非常に重要な意味を持つものです。

 ただし,退職後に自社と競合する業務をしてはいけない等仕事の範囲を直接制限する「競業の禁止」の場合と同様に,どこまで有効に機能してくれるのかという問題があります。それは,業務で得た情報を使うことができないのは,その後の仕事に対する大きな制限になることがありえます。特に,必要性も微妙でかつ秘密の内容があまりに曖昧で範囲が大きくなりすぎる場合には,秘密の範囲を限定されたものとして扱われる・無効になってしまう場合がある(実際には裁判になった場合の使いですが,実際に合意を行う際には見通しをつけておく必要があります)点には注意が必要です。

 

 裁判例では,内容や重要な秘密といえるものなのか・退職までにその従業員が従事していた業務の内容や地位などを考慮していく(合理性のある制限であれば有効と解釈されてます)とされていますから,こうした点を踏まえて見通しをつけておくことになります。一般に重要なプロジェクトに関わるものや役員であるなどの点は考慮されますし,開発などの重要情報等である場合も同様と考えられます。実際には実例を考慮しておく必要があります。秘密の内容は限定されているものであるほど,その有効性は肯定されやすくなります(これは無限に秘密とするほど仕事をする自由への誓約が大きくなるためです)。実際には個別のケースごとにきちんと秘密の内容や意味合い・その方の業務との兼ね合いなどをきちんと考えていく必要があります。実際には秘密として管理されているのか等も考慮されているケースがありますので(秘密として管理されていなければ,情報の利用制限が課題と捉えられかねない場合もあります),こうした情報の管理状況の考慮も必要でしょう。

 

 秘密保持の契約書や誓約書はその性質上自由な合意である必要がありますので,署名拒否などがありうる点も頭に入れておく必要があります。また,これまでの話からも前提となっていますが,退職後の競業の禁止は期間や場所の範囲など内容によっては無効になる可能性があります。

 

就業規則に決まりを入れておく入社時に誓約書を書いてもらう意味は?

 先ほどの話は退職の際の話でしたが,入社の際に一定の事項(競業の禁止や秘密保持その他守ってほしいこと)について誓約書を求める話がります。また,就業規則に従業員が守ることとして一定の事項を定めている場合は多いと思われます。違反に対しては内容などによって懲戒処分をするというペナルテイを課すという内容になっているものが多いです。

 雇用契約に基づき従業員には一定の範囲で競業の禁止や業務上重要な情報の漏洩をしない義務等が科されます。最近話題になる副業については競業の禁止との兼ね合いが問題になりますが,会社での業務に影響が出てはいけない(会社の仕事に専念する義務)という点から問題になりますもので,完全に禁止できるとも限らない点には注意が必要です。今後副業が進められていく方向になりますが,こうした規定や勤務時間の把握や健康管理面での問題が出てきます。

 

 こうした禁止内容を理解してもらう・禁止内容をはっきりさせるという点でこうした書面の意味は存在します。

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