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法律のいろは

2016年5月19日 更新労働問題のご相談

介護や育児のための勤務時間短縮措置の利用を理由に昇給を抑えることを違法と判断したケース?

 高齢の親の介護や子供の育児のための休暇の取得や短時間勤務に関する制度は法律上認められています。就業規則がある会社では,法律の制度を踏まえた措置が導入されているかもしれません。こうした休暇や短時間勤務を取得したことを理由とする「不利益取り扱い」は法律で禁止されていますが,今回は介護のための短時間勤務を理由とする昇給の抑制が違法かどうか(そもそも,そうした事柄があったのかどうか)問題になった比較的最近のケースを紹介します。

 

 問題となったケースでは,育児のための短時間勤務を取得したかたについて,短時間勤務による減給に加えて,特に昇給が抑制されたものです。この抑制の理由が短時間勤務の取得を理由としたものかどうか等が問題になったものです。実際の争点は他にもありますが,この点に限定して紹介します。

 

 人事評価に基づき昇給等は通常決まるものと考えられますが,本件ではそれに加えて,勤務実態(つまり,通常に比べて短時間勤務になっていた)を反映して昇給を決めた点が問題になっています。言い換えれば,短時間勤務になった割合(80%であれば80%を)昇給に反映することになります。この点が介護育児休業法の定めに違反しているのかどうかが問題となっています。

 

 裁判所の判断では,昇給は勤務業績や身に着けたスキルなどから評価される業績評価の他に短時間勤務をしているという実態を踏まえて昇給が決まっているとしています。そのうえで,短時間勤務の取得に応じた昇給は,実質は短時間勤務を取得したことを理由とする不利益な扱いであると判断しています。

 

 法律に定める介護や育児のための休業や短時間勤務の申し出や取得を理由とした不利益な取り扱いの禁止は,就業規則や個別の合意で変更できない点であると述べています。例外的にそうする合理的な理由(実質上この禁止に違反しないことを根拠づけるもの)がある場合のみ違法ではないとも述べています。

 

 こうした点から,裁判所はこのケースでの取り扱いは違法であると判断しています。このケースでは業績評価に関係なく一律に短時間勤務を取得すると昇給が抑えられるという点が大きく考慮されています。仮に時間勤務が短くなることで業績評価に影響を与えるスキルなどへの影響があるのであれば,この点をきっちりと業績評価の点で行う必要があると言えるでしょう。

 

 このケースで問題となった点はいずれまた詳しく触れたいと思います。

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