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法律のいろは

2019年6月8日 更新労働問題のご相談

労災の制度と会社が賠償を負うべきケースや割合はどのようになるのでしょうか?②

労災での賠償請求で負うべき損害はどこまでなのでしょうか?

 労災事故が起きた際には,法律上雇用している会社には損害を補償する責任と損害賠償責任を負うべき場合には,その損害を賠償する責任があります。前者は労災保険から主に負担をされる形になりますが,損害の内容には重なる部分があります。

 

 損害の内容になる点は,その事故などで起きた病気やけがの内容や程度にもよりますが,治療費など実際にかかった費用やケガや病気などによって得られなかった収入や慰謝料が含まれます。この得られなかった収入には,休むことを余儀なくされたケースなどがあり,ケガや病気の改善が大きく期待できない点での一定の後に残る症状(後遺症と呼ばれるものです)によって生じるものもあります。慰謝料についても同様の後遺症に応じたもの(死亡したケースは前記の得られなかった収入とともに存在します)もあります。

 

 労災保険その他,労災の原因となる事故などによってお金の給付を受けた場合には,利益も得ていますので公平の観点から差し引くこと(損益相殺と呼ばれるものです)になります。また,ケガや病気の発生やその内容程度にケガや病気を負った側に原因がある場合には,その程度に応じた差し引き(過失相殺と呼ばれるもの)が後で触れますように,どこまで認められるのかという問題があります。

 

 こうした損益相殺は現在では裁判例によって損害そのもの(支払が遅れた延滞金から差し引くわけではない)からの差し引きとされ,先ほど触れました過失相殺がされる場合には過失相殺をした後で調整をされる形になります。ちなみに,労災保険の給付金が全て差し引きの対象になるわけではない点には注意が必要です。特別支給金については裁判例上差し引きが認められていません。

 また,会社側で労災の補償とは別に保険などによって補償を行う場合には,ここで支払った金額も損害を埋めるものとして賠償の支払いからは差し引かれることになります。規定によってこの支払いをすれば全ての賠償責任を免れるとは言いにくいと思われますので,注意が必要でしょう。また,こうした労災とは別に補償をする場合に,死亡退職金や見舞金などの支払いの規定を設けている場合には,これらと別の補償がどのような関係で調整支払いをするのかどうかは規定を設けていた方がいいでしょう。

従業員側の体調管理や会社に申告していなかった事柄をもって,損害額は軽減できるのでしょうか。

 事故の原因に問題となった方が関与していて落ち度があるというのであれば,その割合に応じた減額は当然です。これに対して,例えば,自らの健康管理が杜撰であったためにケガや病気が重くなった場合や会社側に健康状況などを報告していなかったために,危険になる業務を行うようになりケガや病気につながったという場合等も同様に減額の原因になるのでしょうか?

 

 一般に個人差である身体的な特徴などはこうした減額の対象にはなりませんが,特に際立った体質できちんと注意を要するべきであった場合には減額の可能性があります。自らの健康を管理しておく義務につながる,病院に通院することや負担を大きくしないという点は,いわゆる過労死の事件では,会社側に対して特に厳しく判断をしたものが存在します。つまり,安易に過失相殺という減額を認めなかったものですが,家族なども対応ができたのに対応が不十分だったことや会社への健康情報の提供が不十分であったことを理由に減額を認めたケースもあります。

 ただし,業務の負担が重くうつ病にかかったことなどを理由に会社に賠償請求をしたケースで,通院情報などを報告しなかった点を重視すべきでないと判断したものがあります。勤務を休みがちである・体調が悪いことは報告があった・業務が大変なのもわかる状況であった場合について,健康情報(病院へ通院し,そこで受けた診断や治療の情報)を報告しなくても,会社として対応は可能であったこというのが理由です。あくまでもケースの判断に過ぎませんが,業務の負担が重いことやそこから体調不良が大きく存在していたことを会社側が十分把握していたケースであるといえます。そのため,体調不良を会社側が疑って通院情報などの情報を開示してほしいという話をしたのに,その方が応じないというケースまでは当てはまらないものと思われます。

 いずれにしても,体調の変調を感じる事柄があった場合には,その方に体調などを確認して無理な仕事をさせない・休憩などをとらせる等の対応をとることが重要になってくると考えられます。簡単には減額が認められない可能性がありますので,そもそも問題が起きないような注意が重要になるでしょう。

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