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法律のいろは

2019年5月30日 更新労働問題のご相談

外国人の方を雇用する際の注意点①

採用にあたっては,「在留資格」の内容が何かが問題になります

 平成31年4月からいわゆる入管法が改正され,特に人手不足が進んでいるとされる業種に対して,一部在留資格が拡大されました(特定技能ⅠとⅡ)というものです。拡大された在留資格については別途触れますが,ここでは,外国人の方を採用する場合の注意点として,まずは在留資格の中身(もちろん,適法に取得されたことが前提になります)が問題になる点をあげておきます。

 

 わき道にそれますが,不正に在留資格を取得させ自社がそのことに関与している場合には,犯罪に該当しペナルティが生じかねない点には注意が必要です。在留資格の詳細は別のコラムで触れますが,行うことができる仕事の内容やそもそも仕事を行うことができるのかは,在留資格の内容によって異なってきます。定住者や日本人の配偶者等一部こうした制限がない在留資格もあります。また,留学生という在留資格は,許可を受けた場合には一定の時間内は資格外活動を行うことができます(一定期間を超える場合には違法になります)。また,一部の在留資格を除き,日本国内での在留期間が定められています。

 

 こうした点をきちんと確認してから雇用をすること(その後の管理も行うこと)が必要となります。実際には,外国にいる外国製の人材を日本での業務で採用する場合と日本にいる外国籍の人材を採用する場合で流れが異なる点はあります。外国にいる人材を呼び寄せる際には,日本国内に入る際の手続きで,①持っている旅券とビザ(査証)が有効であること②日本国内で従事する業務が在留資格にマッチしているか等の在留資格面での問題がないこと(ここには,日本での希望滞在期間が在留資格で認められている滞在期間と会っていることも含まれます)④その他日本国内へ入ることの不許可事由がないこと,が審査されます。①かた④の点をクリアするた準備は入国する方がする必要があります。実際上は,採用を考えている会社が,採用予定者の代理人として日本で在留資格その他の申請を行うことができますから,こうした申請をクリアして,実際の入国時に①から④をクリアすることになるでしょう。

 そのためには,この段階から雇用契約の内容を固めておくことや契約書を作っておくこと・業務内容に見合った在留資格を取得できるよう申請の段取りをつけておくことが重要になってきます。

 

 日本国内にいる場合は,採用する方の在留資格の内容が,自社で行う業務を行うことができるものかの判断(雇用契約の内容と比べてみることが必要です)・在留資格を変更する場合には,その見通しをつけておくことが重要になってくるでしょう。在留資格でできる仕事内容化の確認は重要です。例えば,実際に問題となる場合が多い,専門性が要求される・「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で単純労働をさせるなどその在留資格ではできない業務をしてもらうことはトラブルやペナルテイにつながる可能性があります。

外国人を雇用する場合の法律はどの法律が適用されるのでしょうか?

 結論から言えば,労務に関わる法律は日本の法律が日本人と同じように適用されます。ただし,先ほども触れましたように,就労内容などの制限に応じた態様が必要になります。

 

 法律の規制も踏まえ,特に外国人の方を雇われる事業者の方が守られるべき雇用環境の改善を求める指針が国から出されています。努力義務を定める指針ではあり法令の規制やより良い職場環境を作るうえでの参考になる点もあるでしょう。平成31年4月に改正され,募集や採用・雇用管理・生活支援・社会保険や労働保険・在留資格に応じた対応の点で改正ポイントが存在します。

 

 まず,国籍によって差別的な扱いをすることは禁止されています。これは採用だけでなく,勤務時間や給料その他待遇など労務管理の全てに及びます。採用の際には日本人と同じく勤務条件を示す必要がありますが,先ほどの指針でその方の母国語で分かりやすく示す必要があるとされています。後のトラブル防止のためには,ここをきちんとしておくことは重要と思われます。こうした勤務条件には,雇用契約書を別途作成しない場合には,契約関係に関わる事柄を示したほうがいいでしょう。

 日本国内での勤務という場合には,どこの国の法律を適用するかは問題ありませんが,仮に海外勤務も考える場合には,どこの国の法律を適用するかを記載しておくことが無難です。先ほど,勤務条件をその方の母国語で分かりやすく記載しておくという話をしましたが,就業規則も契約及び職場の規律を記載したものですので,同様に分かりやすく記載しておくことがトラブル防止のためには重要になってくるでしょう。就業規則の内容が雇用契約の内容になるには「周知」をする必要があり,日本語を必ずしも良く理解しているとは限らない外国の方を雇用する場合には,ここでの「周知」の点をクリアする(クリアしないとせっかくの就業規則の意味が失われる可能性もあります)ためにも意味があります。ちなみに,先ほどの指針でも同様のことを記載してあります。

 

 次に注意点として,外国人の方についても最低賃金法の規制が及びますので,低賃金のためにこの法律に違反すると刑罰などペナルティを受けることになります。給与からの何かしらの天引きも原則は違法です。これは渡航費などであっても変わりません。別のコラムでも触れていますが,同意書を書いてもらうことでクリアできる場合もありますが,その方が自由意思で書いたと評価できるだけの事情が必要となり,特に環境への不慣れさや言葉の問題などがある外国人の方の場合単に同意書を書いてもらったから問題ないとは言えない場合は十分出てくるでしょう。預金とする場合は,これだけではクリアできない問題もあります。

 勤務時間や残業に関する規制も日本人と同じであり,長時間勤務があれば今後残業規制が中小企業にも拡大(2020年4月から)には,そこにも及びますし,残業代の不払いの問題も発生しかねません。最近罰則はないものの規制が成立したパワハラやセクハラ等についても日本人と同様の規制を受けることになります。ちなみに,勤務時間は雇用に関する法律の規制以外に在留資格ごとに勤務できる時間の制限もありえますので,ここの点の注意も重要になってきます。

 

 このほか,給料の一部から預金をする扱いをとるのはたとえ本人の同意があっても違法であり,パスポートを預かる行為も違法とされています。前者については,本人の同意だけではなく,全ての従業員(日本人従業員を含みます)の過半数から選ばれた代表者との合意した協定が必要で,協定をきちんと作成しておく必要があります。また,国籍に関係なく預金として差し引くという内容でなければ差別的な取り扱いとして,作成しても無効となります。ただし,技能実習生については,こうした措置をとっても違法であることは変わらず,刑罰でのペナルテイがある点には注意が必要でしょう。

 

 先ほどの指針では,安易な解雇を避けること・生活支援をすることなどを定めています。こうした点も人材不足を補うための外国人の方を雇用する際に勤務し良い環境を作るうえで意味を持つものと考えられます。なお,社会保険についても原則日本人と同様になります。労災については,金額面の話はともかくたとえ不法就労だとしても,労災保険や民事の損害賠償請求はし,社会保険の給付設けることができます。

  トラブルが起きた際の解決の制度や対応も日本人を雇用する場合と変わりません。コミュニテイユニオンとの間の団体交渉等がある場合を含めた話し合い,裁判所での労働審判や労働局での斡旋手続きの場合の対応があります。

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