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法律のいろは

2019年4月17日 更新労働問題のご相談

従業員に,商品の横流しやリベートをもらう,使い込みがあるなど不正行為が疑われる場合の対応は?

事実関係の把握が重要

 後で触れますが,結論として自社・サロンにある商品や備品を横流しすることは横領罪に該当しかねない行為ですし,リベートも本来はお客様が受けるべき利益を勝手に受け取っていることで重大な問題行為といえます。そのため,こうした行為が疑われる場合には,事実関係の把握と証拠を得ておくことが重要となってきます。その理由は,違法行為あるいは問題行為ということであれば,法律上・自社の就業規則などに照らしてペナルテイを与えることになりますが,そのためにはきちんとした事実関係の把握と裏付けが必要となるためです。

 

 そのため,そうした疑いがあるから処分などというわけにはいかず,疑いがある場合には事実関係としてどうなのか・横流しやリベートを受け取った証拠があるのか等をきちんと把握する必要があります。横流しということであれば,仕入れや販売の状況やお金の動きを追っていくことになるでしょう。リベートはその発端となった事実(例えば,仕入れ先の変更や変更について疑いのある方が盛んに進めていた,お金やサービスを受け取っていたことを示す事柄)等が必要となります。

 このようにきちんとした事実関係の把握と裏付けをきちんと行うことが不可欠な話となります。こうした事実を把握する阿合には,曖昧な伝聞や決めつけで厳しく叱責その他の言動を行えば,パワハラ行為に該当する可能性もありますし,後のトラブルにつながりかねません。まずは,疑いを持つようになった経緯や確実な話を確認し,相手先の確認や帳簿その他の資料を見てから,問題となる方に確認していくなど事実関係を固めていくことが重要です。

横流し・リベートを受け取ることの問題と対応

 横流しが犯罪に該当するだろうということについては触れました。このほかにも,自社のものを勝手に売却などしてお金を得ていたわけですから,その損害を賠償してもらう必要があります。多くの会社では就業規則で懲戒解雇などを含む処分の対象となっているでしょうから,処分も検討することになろうかと思われます。この場合は証拠さえあれば,処分をするという点には問題はないでしょうが,どこまでの処分をするのかは被害状況やこれまでの勤務態度・隠ぺいの悪質さなどを考えていく必要があるでしょう。特別に重くできるわけではない点には注意が必要でしょう。

 刑事告訴まで行うのかは被害弁償を受けたのか等を考慮して行うことになります。実際には普通は被害弁償ができれば,自社の管理状況を問われることもあり刑事告訴まではしないケースが多いかもしれません。どうしていくのかは経営判断という要素もあるかと思われます。

 

 これに対して,リベートの供与を受けていた場合には,就業規則には直接該当する項目はないかもしれません。前提として,処分をする場合には根拠が必要で通常は全社的なルールである就業規則で根拠が存在する必要があります。信用失墜行為あるいは権限の濫用など該当しうる項目があるのかを検討する必要があります。そのうえで処分をするかどうかを検討することになりますが,この場合でも回数や期間・態様・その方の地位・リベートを受けた内容等を考慮して考えていく必要があります。

 処分の重さによっては会社での退職金不支給になるのかどうかに影響しえます(もちろん,この場合でも就業規則上の根拠は必要です)。処分についても,事実関係の把握や裏付けが曖昧であると後で裁判のリスクが出てきますし,同じことは処分が重すぎたかどうかについても当てはまります。

 

 このように対応についてもよく検討をして判断をしていく必要があります。

不倫や逮捕など私生活上の問題の場合は?

 業務上の不正行為の外に対応がよく問題になるものとして,職場内不倫や犯罪行為での逮捕などがあります。いずれも事実関係の把握が重要なのは言うまでもありませんが,あくまでも私生活での話なので,会社の秩序に反しているのかどうかが問題になります。

 

 例えば,運送業で飲酒運転という場合には,自社の業務を考えると極めて大きな影響を与える行為なので,懲戒処分に相当する事柄と考えての対応もありえます(もちろん,就業規則で根拠となる定めは必要です)。犯罪について内容にもよりますが,自社の信用にかかわる事柄であれば,同様に考えることができます。ただし,単に逮捕や起訴をされたという段階では,本人が認めていない限りは犯罪を犯したという前提で対応することにはリスクがあります。単に「疑い」に過ぎないためです。

 

 これに対して,職場内不倫のような場合には,職場に関係する方から連絡があっても,対応をするのかどうかについて慎重に考えておく必要があります。自社内の士気にかかわるなどの事情があるかもしれませんが,あくまでも私的な事柄であり職場内の秩序や会社の信用を当然に棄損することにはならないためです。また,こうした私的な問題はあくまでも本人らで解決すべき事柄とも言えます。そのため,処分や連絡についての問い合わせをするかどうかについては,慎重な対応が必要になるでしょう。

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