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法律のいろは

2019年1月14日 更新労働問題のご相談

退職を申し出た従業員からの年次有給休暇の請求には応じないといけないのでしょうか?

年次有給休暇の意味

 いわゆる「有給休暇」は,平成31年4月からのいわゆる「働き方改革」に伴う法律改正で「取得義務」が会社に生じるものです。この取得義務の話は別のコラムで詳しく触れますが,簡単に言えば,会社側の方から5日を指定して確実に休んでもらうことにしましょうという制度(ただし,全従業員が対象というわけではなく一定の要件を満たす必要はあります)です。中小企業で導入猶予がされていないものですから注意が必要なものです。

 

 この「有給休暇」(年次有給休暇)は,従業員に健康な生活を送ってもらうため等の理由から,取得の要件を満たした従業員について,従業員側の請求(具体的な時期や季節を特定する必要があります)があれば休みを取ることができるというものです。先ほどの改正は実際には従業員側から請求が少ないという実態があったために,会社側からお願いをして休んでいただくという意味合いがあります。現状取得している方の割合が少ないとされているものですが,今後は変わっていく可能性があります。

会社側・事業所側の対応方法は?

 あくまでも「年次有給休暇」は従業員の請求があれば休めるもの(給料の支払い義務を会社は負います)です。会社側は,例えば一斉に休みをとられるなどして業務に大きな影響が生じる場合に,その根拠を示して時期や季節を変更してもらうという意味での対応手段を持つだけです。そのため,結論から言えば,退職間近だから取得は認めないという対応をすることはできません。

 このことは,仮に業務が忙しく休みになられても困るという場合も退職間際の従業員については変わりません。というのも,時期・季節を変更した後の時期に年次有給休暇を実際に取得することは考え難く,変更は変更後に実際に休みをとれることを根拠にしているためです。

 

 ちなみに,業務への大きな影響は,人手不足だから当然にできるかというとそうはなりません。代替要員確保にどこまで動いたのか・実際に休みを申し出た方の仕事の内容や休みによりどこまで影響を受けるのか等がシビアに問題になります。そのため,後で問題を起こさないようにするには,こうした点を無視はできません。とはいえ,一番はこうした事を起こさないようにするために,全従業員について計画的に休みを取得できるような仕組みを作るのが意味があるように思われます。職場ごとに労使協定を結んで計画的に休みを取得できる制度を作る・小さい会社であれば個別の従業員ごとに管理簿を作り事前に申し出をしてもらって,繁閑をみて休んでもらう日を予め協議をする方法もありえるでしょう。

 実際にどのように休んでもらうかは,先ほどの法改正に伴う「取得義務化」(計画的に休んでもらう計画年休制度で指定した部分の場合は,取得義務を果たしたことにはなりませんので注意が必要です)の兼ね合いも含めて対応をしておくことが重要になってきます。人手不足の中で人の定着や法律上の義務を果たすうえでも意味はあるでしょう。

 

 人員がギリギリの中でシフトを作るなどしている業種は介護福祉・飲食業・美容関係等多数あるところです。こうしたギリギリの中のシフトで人手不足が怒った場合でも,時期・季節の変更の要件を満たしていないとする裁判例もありますので,対応には注意が必要です。

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