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法律のいろは

2019年1月9日 更新労働問題のご相談

どこまでが勤務時間なのでしょうか?訪問先への直行直帰・お客様のための終業後の残業をついついしてしまうのを抑えるには?

勤務時間の把握をするように求められる傾向

 介護業界における訪問介護などの場合に,利用者のご自宅への直行直帰あるいは事業所からの(への)移動時間をどう考えればいいのか,業務日報を書いている時間はどうなのか・終業時間後といえども助けを必要としている利用者を放っておいていいのか等勤務時間管理は難しいところです。そもそも,勤務時間とは何のか・どこまで把握しておく必要があるのかという点も問題になってきます。研修などを当らえるのかも同じように問題です。

 

 ここでいう勤務時間とは,給料の支払いの対象ともなる時間ですし,事業所側の指揮命令に従うべき時間でもあります。法律上もこうした点から,勤務時間かどうかを考えていくべきとされています。ここでいう「指揮命令」には直接事業所側からはっきりと命じたこと・他の命じたことから命じていると評価できる場合の双方が含まれます。後者は,業務を命じることで,その時間も勤務しないとこなせない場合には当てはまる可能性が高くなります。

 勤務時間に関しては,平成29年に政府から出された通知の中で,事業者がより一層勤務時間を把握することを求めるものがあります。把握義務自体は事業所にありますが,この通知の重要な点として,タイムカードやパソコンのログ記録等の客観的なものを可能な限り要求しており,いわゆる従業員の方の自己申告の際にも例外的なものとして扱うこと・自己申告と客観的な記録とのずれが大きい場合には実態把握を行うこと・残業の上限を設けることで勤務時間の申告を適正に行う状況を妨げてはならない,等実際の勤務時間・残業時間を適正に把握するよう求められる傾向にあるといえます。

 

 勤務時間がどこまでかは健康を害するかどうかを含めた労災の問題にもなりますし,給料支払い・職場の生産性とも関わる問題といえるでしょう。

どこまでが勤務時間?残業の許可制は有効?

 働き方改革に伴う制度改正の中で,今後は違反への罰則付きの残業の上限規制が設けられます。先ほどの適切な勤務時間の把握との兼ね合いも考えると,どこまでが勤務時間なのかという点の認識は重要なこととなっていきます。

 先ほども触れましたように,「指揮命令」を事業所側がしているかどうかが大きな問題となってきます。ここでいう「指揮命令」とあるのは行動の制約があったかどうかが大きなポイントで,通常は会社内で行われるものとなります。ミーテイングや業務にかかわる研修(特に事業所から受講を義務付けているもの)・業務日報の記入は通常事業所が命令することなく行われるものとは言えませんから,勤務時間に含まれます。業種によっては研修について,勤務時間としていない(=給料の支払いもなされていない)場合がありますが,そうはならない点に注意が必要です。制服や作業着の着用も事業所から義務付けていて,特に事業所内で行うようにと指定をしていれば,勤務時間内と考えるのが自然です。

 これに対して,自主的に行っていた勉強会は勤務時間に入りません。どこまでが自主的な勉強会といえるのかは非常に微妙な点がありますが,参加が自由であることは少なくとも必要になります。

 

 訪問先への直行直帰を導入している場合,直行直帰はどこをどのようにして訪問先へ向かうのか自由ですから勤務時間には入りません。通勤時間と似た要素があるといえるでしょう。これに対し,事業所から訪問先へ向かう場合には,いつどこへ行くのか等拘束が強くありますから,原則として勤務時間に入ると考えられます。

 

 利用者の方への対応は事業所の定めている就業時間と関係なく発生し,つい対応してしまう傾向になるといえるでしょう。こうした際の対応が勤務時間になるかどうかですが,黙認をしていたと評価できる場合があります。その場合には勤務時間として考えていくことになるでしょう。こうした対応が続いていしまうと結局どこまでが勤務時間なのかわからないことになり,モチベーションや生産性に影響を与えることがあるかもしれません。

 対応として,あくまでも対応をするのはどこまでかをはっきりさせること・残業して勤務をする場合には原則として許可を上司に得るようにするということは考えられます。特に,どこまでが勤務時間なのかをはっきりと意識してもらうために,業務日報をいつ書くのかをはっきりしそこまで勤務時間とするという扱いをするのも対応の一つかもしれません。残業を許可制にしても,終業時間後も勤務している実態を把握しながら放っている場合や終わらない分量の仕事を与えていた場合には,いかに許可がなくても残業(勤務時間あり)と評価されますから,単に許可制を導入すればいいというわけではない点には注意が必要です。

 

 

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