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法律のいろは

2019年1月5日 更新労働問題のご相談

退職代行サービスとは?その1(退職は制限できる?退職の際の問題とは?)

 ここ最近「退職代行サービス」というものがネット上で宣伝などをよく見かけるところです。そのサービスの中身は,事前相談を受けて退職の手続きなどを教える⇒退職手続きの代行(連絡の代行)を行うというものが一般のものとなっています。このサービスの問題点などは何かを触れていきます。長くなるので,今回と次回の2回で触れていきます。

1 退職を従業員側から申し出ることへの制限は有効?

 結論から言うと,無効です。これは既に裁判例も出ているところですが,会社からの解雇については,法令上30日前の通告か30日分の予告手当の支払いが義務付けられています。就業規則や契約でも変えることはできません。これに対して,就業規則で例えば30日前に退職届を出す形での申し出を定めている等就業規則で退職届の提出について定めている会社は多いかと思われます。

 法律上従業員側からの退職申し出には,期間の定めのない従業員(通常は正社員)について,退職は自由と定められています。申し出の時期は純粋な月給制の場合は前月の前半に・年棒制の場合には3か月前とされてます。ここを就業規則や雇用契約で変更できるのかがここでの問題点ですが,結論からいって変更はできません。言い換えると,就業規則でいくら定めていても意味はないということになります。もっとも,申し出の形式を後で問題にならないように定めておくという点では意味があります。

 これは,退職の自由を保障しそこに合理性のない制限を課すことは許容されないという理由に基づきます。期間限定社員など期間限定がある場合には,やむを得ない場合のみすぐに退職できると法律上定められていますが,職場環境その他の事由から退職の申し出をする場合にもやむを得ない場合とされることもありますから,当然に制限されるとまでは言えないでしょう。また,一部例外はありますが,契約開始から1年が経過していますと,文字通りいつでも退職の申し出はできます。この場合に退職理由は問題とはなりません。もっとも,正社員の場合のように全く退職理由が問題とならないというわけではなく,理由自体はやむを得ないものかどうかは大きく問題となります。

 会社の側から勝手に退職することに対して損害賠償請求をしたいという気持ちは出てくるかもしれません。とはいえ,こうした規定をクリアしている場合には賠償請求の根拠があると言えないでしょう。もちろん,申し出も何もなくある日突然来なくなった場合や、期間限定のある従業員が「やむを得ない事由」があるとは到底言えない退職の申し出をしたあと、来なくなった場合は話が変わってきます。また,その従業員のミスなどによって「やむを得ない事由」が作り出された場合にも話が変わってくる可能性があります。

 また,会社側が退職申し出に対して引き留め行為をして退職申し出の撤回を求めること自体は可能ですが,撤回を強制した(要は辞めさせないように嫌がらせをする)というのは,それ自体が後で損害賠償請求を会社側が受ける可能性があるので注意が必要でしょう。

2 勝手な退職に対する行動へのリスク要因

 勝手に退職をされると,当然人手が足りなくなるので会社にとっては損失が発生しますし,腹が立つところです。こうした際に,引き留めを強く行う(嫌がらせと評価されると損害賠償を受けるリスクがあります)・離職票を渡さない・職場にある私物を渡さないということが対応としてあり得ますが,全て法律上問題があります。次の勤務先が分かった場合に悪評を流す行為も当然です。もっとも,次の職場がわかること自体そう簡単にはないかとは思われます。

 このうち,離職票を渡さないということは後々にハローワークとの間でも問題を残しかねませんので避けたほうがいいでしょう。私物はあったかなかったかでもめる可能性もありますし,返還をしないことを正当化する理由は基本的にはないと思われます。また,こうした場合に最後の給与などを支払わない(損害賠償金と相殺という話を含めて)はできません。とはいえ,こうした点は退職時に予測されるトラブルの一部とは言えます。

 ちなみに,その従業員が何かしらの問題を起こしその解決をせずに退職した・退職後に許容されない競業行為等を行っていた(ただし,競業制限のハードルは高いです)場合には賠償請求を会社から行うことができます。また,退職の際のトラブルとしては残業代の請求もありうるところです。会社はこちらについては受ける側になるでしょう。

 人手不足の時代ゆえに人を引き留めたい気持ちはよくわかるところです。さて,ここまでの話でこうした退職代行をするサービスには「非弁行為」と呼ばれる可能性が付きまとうところです。この点については次回に詳しく触れたいと思います。

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