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法律のいろは

2019年1月5日 更新労働問題のご相談

退職代行サービスとは?その2(退職代行業者による連絡などと問題点とは?)

 前回は,退職代行サービスという最近よく聞くようになったサービスに関して,サービス概要と会社は退職を制限できるか・退職の際のトラブルに関して触れていきました。

 今回はそうしたサービスについて改めて触れたうえで,「非弁行為」の可能性という問題点を触れていきます。

1 退職代行サービスとは?

 よく聞くサービス概要として,退職の連絡が,様々な理由で行えない方の代わりに退職の連絡とその後の手続きを行うというものがあります。  

 様々な理由には人手不足などの点から会社に説得その他されていること等もあります。事前にヒアリング(相談を受ける)ということもあるようです。

2 「非弁行為」の可能性?

 「非弁行為」と言われてもそれは何?という方も多いかと思われます。まず簡単に触れておきます。「非弁行為」とは弁護士法で定められている弁護士でないにも関わらず,「報酬を得る目的」で繰り返し行う意思をもって行ってはダメというものです。違反すると刑罰のペナルテイを受ける可能性があります(もちろん,事件として報道されるという可能性もあります)。
 
 では何がダメかというと,法律事件にかかわる法律事務を行うこととされています。ここでいう法律事件とは何かには争いがありますが,少なくとも権利や義務について争いや義務がある話・新しい権利や義務の発生に関わる話を指します。ちなみに,弁護士会ではあらゆる法律にかかわる事柄を言うとされています。

 法律事務とは,代理や和解・交渉といった一般に弁護士がしているとイメージが就くことに限られません。最近の裁判例では法律的な意味を発生・変更させる事柄・明確にさせる事柄・保全させる事柄も含むとされています。ここで重要なのは委任状をもらった代理人ではだめだけれども,単に意向を伝えるだけでは大丈夫だとは簡単には言えない点です。退職代行の話に置き換えると,退職したいという本人から退職の話が出ていないのに業者が退職の意向を伝ええるということになると,退職の意思を示しその後一定期間経過後には退職するという法律上の意味を発生させることもあります(これは正社員の場合と一部契約社員の方もありえます)。「やむを得ない事由」があるかどうかが問題になる場合には,紛争性もあります。そのため,単に連絡や手続き代行を行うから問題がないとは簡単には言えません。法律相談も費用をもらったと評価されればアウトになります。
 業者の方は当然代行費用をもらうわけですから,「報酬」=代行費用をうる目的とは言いやすくなります。ちなみに,ここでいう「報酬」とはこうした禁止されていることの対価といえるものであればいいとされています。

 また,ここでの規制はそもそも利益を得る目的で他人の事件に介入するのを弁護士に限定しようというためのものです。利益を得ないで他人の事柄に介入しようという業者がいるとは思えませんので,通常ここはあまり問題とはならないでしょう。

 このように考えていくと,単に連絡でも本人が言えないから会社に業者が連絡をすること自体にも「非弁行為」の可能性がありますし(ちなみに,当てはまるかどうかの裁判所の判断自体はありません。ただ,火中の栗を拾うというのはそれなりのリスクを背負う行為とは言えます),損害賠償請求や嫌がらせ行為の存在・「やむを得ない事由」があるか問題になるケースは,禁止行為に該当する場合が多くなるでしょう。

 ちなみに,その業者が弁護士と提携している場合でも,紹介料を顧客に請求している場合には「非弁提携」と言って,同様に禁止とともに刑罰を受ける可能性がある行為となります。ここでの紹介料は弁護士に請求をするのも禁止されています。顧問弁護士に対応してもらおうとしても,ここの紹介料の問題をどうクリアするのかも課題となりうるでしょう。そもそも,顧問弁護士側もリスクを負うかという問題もありえます。

 長くなりましたが,広島のある士業でも問題となったこうした「非弁行為」にあたる場合の業者側のリスクにはもう一つあります。それは,そもそも依頼を受けた契約自体が無効になるとともに,支払いを受けた報酬を顧客に返す必要があるという点です。ちなみに,最近はインターネットの削除を本人に代わって行う業者についてこうした裁判所の判断が出ています。

3 退職代行サービス提供会社とのやり取りにより,退職が覆る?

 こうした会社とのやり取りの中で,「非弁行為」に該当する可能性は今まで触れてきたとおりですが,こうした法律に違反する場合になったとして,こうしたやり取りの意味は失われるのでしょうか?

 特には,退職したことにはならなくなる・その他お金などの法律的に意味がる事柄がひっくりかえるかどうかが問題となりえます。基本的には,こうした事柄を持って当然にはひっくり返らないものと思われます。司法書士の方が法律で許された140万円を超えてお金の返還請求をしたケース(140万円を超えての請求は先ほどの非弁行為に当たります)では,返還請求について相手方と話し合いをつけたことはひっくり返らないと判断されています。もちろん,全てのケースで同様のことになるとは考えられはしませんが,こうした会社とやり取りをしたからと言って当然には話がひっくり返ることにはならないでしょう。

 とはいえ,ひっくり返るリスクもあることから,後のトラブルを防ぐという意味合いからは,注意が必要と思われます。

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