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法律のいろは

2017年5月20日 更新解雇

期間の定まった雇用契約の従業員の方の契約更新と解雇のハードル(その②)

 前回は,期間の定まった雇用契約(有期雇用契約)についての中途での契約終了(会社側からの解雇)や契約更新をしないという点の話について触れました。今回は,このうちの契約更新をしないという点について代表的な最高裁の判断を触れます。次回はそれを踏まえて,比較的最近出されたこうした点及び契約更新をしないという点が違法とされた場合に契約期間がどうなるのかを判断した最高裁の判断について触れる予定です。

 

 まず,契約更新をしないことが違法とされて契約更新扱いになるというのは,今までの裁判例の積み重ねの上で法律で決まりが設けられました。その際のタイプが二つあるという話は前回触れました。

 そのうち,①契約更新がなされて期間の定めのない契約と同等となったという判断をした有名な裁判例は次の内容のものです。

 

 電気機器などの製造を行っている会社で,基幹臨時工という位置づけの期間の定めのある雇用契約の従業員が,雇止めは無効であると主張して,従業員であることの確認などを求めて提訴したものです。当時は法律の規定がなかった時期のものです。

 前提として,判決で認定された事実として,期間の定めのない本工という従業員の方と機関の定まのある期間臨時工等は採用基準・勤務基準などを定める就業規則では別々のものが適用されていました。しかし,仕事の種類は本工と期間臨時工では同じである・期間臨時工の雇用期間が満了してもその後も長期にわたって雇われている方が大半である・雇用期間が満了した後すぐに会社側も更新の手続き(契約)をしていたわけでもなく,5~23回の契約更新がなされていた・会社側から長期雇用を前提とした言動が存在した・期間臨時工になった方もそうした言動から長期雇用の継続を期待していた

 という事情がありました。

 

 この点を踏まえて,高裁の判断では実質的には期間の定めのない雇用契約と変わらないと判断し,会社側の期間更新拒絶を解雇と判断し,そうするだけの相当性があるかどうかを検討しています。

 この裁判では,期間の定めのない雇用契約が実質期間の定めのある雇用契約といえるかが争点の一つとなっていました。最高裁は,こうした事実関係をもとに,会社・従業員ともに契約更新時に特別な意思の表示がない限りは継続する意思の雇用契約と評価できるために,期間の定めのない雇用契約と実質的には同じと判断しています。結論として,雇止めは解雇と同様に扱い,そうするだけの相当な事由があるかどうかを問題にしています。

 

 こうした点が制度化された先ほどの①の点において,期間の定めのない雇用契約と実質的に同等といえるかは,期間満了前までのあらゆる事情が総合的に評価されるために,期間満了前の話(たとえば,延長をしないという会社側からの話)だけで同等ではないという単純な話にはなりません。また,総合的な考慮ですから,一つの事情によって決まるという話にもならない点には注意が必要でしょう。

 

 次に②①に該当しない場合でも雇用継続に対する従業員側の期待に合理性があると認められる場合に関しての判断がありますので,この点は次回に触れます。

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