法律のいろは

2019年11月27日 更新債権回収のご相談

出来高清算ができるようにしておくことの重要性

○出来高清算を行うには?

 建設工事を行う際には,下請けで入っている側は元受け側に対して,築地で出来高での清算(代金支払い)を行うことがあります。毎月のお金の周りを考えるうえできちんとお金の回収をできることは重要ですが,他方で口約束で清算の取り決めをする・発注書なども一式での請負工事になっている場合もあります。
 この場合,工事の進捗や仕様変更・追加工事か手直し工事化でトラブルが出た場合に,出来高清算をどのように行うのかトラブルになるケースがあります。

 

通常請負工事は,工事を完成させないと代金を請求できません。途中で出来高清算をするには,どの出来高に対してどの代金を清算するのかの取り決めが必要になります。建設業法でもこうした点を含めた書面を要求されていますが,契約の意味合いには書面でなくても問題はありません。
 そうしたこともあってか書面できちんと決めているかどうかは,大手業者の方も絡んだエンドユーザー(施主)との契約であることが多くなります。ただし,トラブル防止の点からきちんと書面で合意をしておく必要があるのは下請けであっても変わりません。出来高を示してそれをチェックして清算を行うという純粋に出来高に対する清算を行うのは約束としてはシンプルです。これに対して,他の事情も見ての清算となると,いざトラブルとなった際にはどのように清算を行うのかはっきりせず結局どのような清算を行うのかがトラブルになってしまいます。
 そのため,きちんとどのような清算を行うのかの合意を覚書等で記録化しておく必要があります。

○出来高の清算を行う際の注意点

   次に出来高の清算の合意ができてもきちんと清算ができる状況でないと後でトラブルのもとになります。先ほど触れました適宜の調整(例えば,現場に入っている直接の元請のお金の状況で適宜清算の場合)となると,何をどのように清算をしたかわかりにくくなりますので,仮にこうした生産方法をとる場合には特に,そのお金が何に対する清算なのかをきちんと記録化しておく必要があります。特に大きなリフォームや修繕工事等である場合には,施主への引き渡し後にはどこまでの出来高がどうであったのかは,その際に写真等で記録を残しておかないともはや確認のしようがなくなります。

 出来高の清算については,出来高調書を作成し,そこに毎月等決められた期間の出来高を記載して元請に提出し,そこのチェックを経て出来高を確認しておくことで清算ができないという事態を防ぐことはできます。書式やその他写真での記録も必要とするかは,手直し工事なのか大きな追加工事があったのか等を含めて考えていく必要があります。特に施主あるいは元請側の話で追加で行う工事が出てきた場合でかつその作業量が多い見込みがある場合には,合意書あるいはどのような話なのかの記録は重要です。手直しかどうか追加工事といえるのか・追加工事であるとしてどこまでなのかは争いが出てくる可能性があるためです。
 また,出来高調書というのも単に一式だけだとよく分かりませんので別紙をつけておく等の点(明細をはっきりさせる)は重要になってきます。言い換えると,出来高調書は出来高がどのくらいであるのか・内容を明確にすることで出来高支払いの金額などについてもめ事を防ぐ意味があるので,出来高調書の中身も問題になってくるという話ですね。検査を行ってもらうのは工期がタイトな場合には難しい面があります,少なくとも成果を受領しておいて何も異論が出ない場合には出来高調書をきちんと作成して提出しておけばその部分がおかしいという話は難しくなってくるでしょう。

 先ほどのお金の事情から適宜清算という話も出てきますが,ここでもきちんと中身及びどの部分の清算なのかははっきりさせておくことは重要です。お金の事情からの適宜清算という場合,あとでお金の問題がなければ全く問題ありませんが,不足があった場合にはきちんと清算されない(言い換えると,もう清算済みである)という話が出てきかねないためです。
 この場合には,代金未収になってしまいどこまで清算済みなのかが大きく問題になってしまいます。

 このように合意の面と実際の清算の場面でのやり方の工夫は重要です。頻繁にトラブルは発生しませんが,何かの都合(お金の都合がつかなくなった・工期などが当初の想定と大きく狂った場合等)でうまくいかない場合口頭での清算やなれ合いでの清算はトラブルになりかねません。人間関係は重要なのは言うまでもありませんが,人間関係で何とかならない場合(特に大きな請負代金の未収と赤字が出かねない場合)もありますので,注意が必要です。

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