
契約書を必ずしも作成することなく,見積書と注文書のやり取りをする・その他高騰などで何度かやりとりをすることで,一定の約束をしていくという形も業種によってはよくあるところだと思われます。契約書がなければ,契約が成立していないかというとそのようなことは必ずしもありません。契約の種類によっては物のやり取りが必要であったり,書類が必要なものもあります。ただし,そうしたものは法律で定められたものになります。
一定の事柄について合意が成立したといえるのであれば,多くのタイプにおいて,契約は成立しています。もちろん,どのような事柄で約束が成立したのかをはっきりさせるためには,契約書は重要な役割を果たします。また,いずれ触れますが,契約が成立していなくても,相手に対して契約が成立したようにふるまうなどした場合等一定の場合には,裁判例上成立していない契約に関して損害賠償責任を負うこともあり得ます。
では,契約において,どのような事柄が合意をしていれば,成立したといえるのでしょうか?これは契約のタイプによって異なります。何個か代表的なものについて触れます。車や材料を売却する際には,何を売却するのか・その代金(計算方法)について最低限合意があれば契約が成立することになります。次に,請負契約(工事など)であれば,工事をする事柄の内容とその代金についての合意が必要となります。ちなみに,請負工事の代金請求は少なくとも工事の完成したことが必要になりますが,別に支払い時期を決めることができますし,実際には,最終的な見積書などでそうした時期を記載しているのが大半であると思われます。
特に,お金の支払い時期に関しては,細かく合意をしなくても法律の規定によって決まるところがありますが,別の時期にしたいのであればしっかりと合意をするとともに書面で残しておいた方がいいように思われます。複雑なタイプの契約では,どういった合意がなされたのかの認識が食い違っている・きっとこうした合意がなされたのだろうと探っていくのは相当な負担になりますので,予めはっきりとした合意を形に残しておくことで対応をしておくべきでしょう。
こうした事柄は契約書ではっきりさせていくのが一番ですが,仮に見積書などで決めていくのであれば,そうした書類の中でもはっきりとさせておいた方がいいように思われます。
次回は,契約が成立していなくても,何がしかの問題が出るケースについて触れます。