法律のいろは

2020年12月20日 更新行政規制

建設業法などの改正(令和2年10月施行)

改正の概略

 令和元年に建設業法などの改正がおおなわれ既に令和2年10月から施行されています。主には,働き方改革関連の残業規制(建設業は一部有害危険業務に関する規制を除き(これ自体が一般に言われている上限規制とは内容が異なります))が令和6年(2024年)に伸びている関係を踏まえ,それに応じた納期の設定や生産性向上を図る形の改正を行うとともに,建設業における事業承継をしやすくするための改正なども行われています。

 

 建設業法の関係では,見積もりや契約の段階での無理な納期の設定(作業内容に比べて著しく短い納期)への規制がかかります。無理な納期がどの程度かわかりにくい点がありますので,行政側(中央建設業協議会等)による工期の基準の作成や適切な工期設定のガイドラインが設けられます。納期の規制は注文者にかかる規制で建設業法の規制は建設業者にしか及びませんが,例えば下請けの契約でrは注文者も建設業者になりますので,規制が及ぶことになります。ここでの規制はこれまでの他の規制の違反と同じく監督処分(是施指導や企業名公表その他業務停止など)ということになります。

 見積もりの段階もこれまでも建設業法上書面での見積もりが要求されていた(実際には口頭での見積もりや注文によるトラブルも発生し,特に代金不払いの際には大きなトラブルに至ることもありえたもの)ところですが,各工程ごとに作業の内容やそれに要する日数を見積もりに記載することが要求されます。これは見積もりをする建設業者についてです。また,施工をしない日や時間帯がある場合には,契約書面にその旨の記載が要求されます。

 公共工事については,発注者側に十分な工期の確保などが要請されることになります。民間工事の施主がそもそも建設業者の場合には,ここでの規制が及ばないことにはなります。書類上処分リスクがある記載が残ることやいわゆる違反を官庁に下請け業者が通抗告することでの不利益な扱いが禁止されますので,実際上は問題ないだろうという話がやぶれる場面では大問題になることもあるので,無理な工事の受注は避けた方がいいという面も出てくるでしょう。ここは受注するかどうかのリスク管理の話となってきます。

 

 

 このほか下請けの処遇改善として,労務費相当分は手形などの支払いではなく現金払いが要求され,社会保険未加入の建設業者は許可の更新などを受けられないようになります。許可基準についてはこれ以外にも,改正があり,特に過去5年以内に建設業の経営を行っている経験のあるものを役員で必ず要求されたという点が緩和されています。生産性向上のための制度としては,元受け側・下請け側それぞれで限りある人材を有効に活用するために監理技術者の選任緩和や二次下請け以降の主任技術者の設置が不要になる場合が設けられます。

 事業承継の関係は許認可の引継ぎがしやすくなった点が重要です。これまで株式譲渡と比べた際の事業譲渡や合併(存続する会社の許認可を使う場合は除く)の欠点として,譲渡人や消滅する会社で得ていた許認可が引き継がれない・新たに許認可を取得する手間や時間がかかる(許可が下りない空白期間が出てくる)ことが問題とされていました。建設業については法改正により,事前に許可を受けている先等に応じて法令で定まった行政から認可を受けておけば,時間の空白なく譲渡人などの建設業許可を引き継げるようになります。これによって,事業譲渡や合併などの手段がより使いやすくなるという面があります。

 このほかにも改正内容はありますが,ここでは省略します。

働き方改革の関連 

 働き方改革の関連では,労働安全衛生の点での規制の変更や時間の上限規制の点が重要です。このうち,後者は2024年から建設業でも規制が設けらえます。業務委託などの形態で従業員でないと扱っていても実態に応じて規制を受けることになります。

 

 この関係で重要なのは前記の工期の適正化や短すぎる工期への規制です。適正な工期設定のためのガイドラインは既に平成28年に設けられておりそのあと改定されています。ここでの考え方も,労働法制に応じた休みの確保や工事の実情に応じた無理のない工期の設定を行う・必要経費について下請けへのしわ寄せが寄らないようにするという概要が定められています。

 工期に関する基準も定められています。ここではごく概略のみ触れます。この基準自体は公共工事民間工事問わず参考となります。あくまでガイドラインではありますが,建設業法で規制を受ける「著しく短い工期」かどうかの判断や基準から大きく逸脱した際には残業の規制への違反の可能性や事故発生時の安全配慮義務違反の判断に影響することもありえます。また,無理な納期を課すことで結局施工が間に合わなかった際のリスク負担(発注者・受注者どちらの原因でさらに工事が必要になり,それによる金銭負担をだれが負担するのか)という話にも影響する可能性はあります。

 ここでの基準は,自然要因や労働時間規制や労働安全衛生面の考慮・年末年始やGWなどのイベント・契約方式などの工程全般で考慮する事情・工程ごとに考慮する事情・工事の分野ごとに考慮する事情が考慮されています。このほかに,新型コロナウイルス感染症対策などを踏まえた話なども考慮されています。

 

 実際の工期を決める(見積や契約の段階)では,それぞれの都合だけでなくこうした基準からどの程度逸脱しているのか(そもそも,達成可能な話なのか・どの程度の負荷を現場にかけるのか)などを考慮しておく必要があるでしょう。

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