相当以前になりますが,売掛金に限りませんが,担保を取っておく際の保証人に関する話をしました。現在は以前とは異なり,保証人をたててもらう→保証契約をするには,書面で契約をする必要があります。ここで書面で契約をする必要があるというのは,書面で保証人になる旨の合意が保証人となる方と債権者の間に存在しないと保証人になったとは言えないというものです。
そうなる問題となるのは,書面にはどんなことが記載されている必要があるかという点になります。この点に関しては一部争いのある所ではありますが,個人事業主に関する電話機のリースに関する裁判例では,保証人となる方が保証債務の内容(どんな負債に対してどのように保証人となるか等)を知ったうえで,自らの意思で保証人となることを明確にすることが要求されると判断しています。
この理解によると,勝手に署名をしたというのでは保証人になったとは到底言えません。第3者が署名の代行をするようなケースはもちろん,そうでないとしてもどんな債務を保証するのかどうか・自らの意思であるのかどうかを債権者の側も事前に確認しておく必要があるように思われます。
特に,保証人となる方本人が署名したわけではないケース(契約書の筆跡が本人のものではない場合等)では,自分はよく知らないからという事で後でトラブルになる恐れが出てきます。せっかく保証人になってもらったはずなのに。。。,ということになってしまっては,そもそも保証契約をする意味がなくなってしまう可能性があります。先ほどの裁判例のケースもまさにそのような場合ではなかったかと思われます。
保証人になってもらう場合には,そんなことは聞いていない等の話がいざ不払いが出てきた段階で出てくる可能性もありますので,事前の説明や確認はしっかりとしておきたいですね。