法律のいろは

2019年2月9日 更新損害賠償請求のご相談

貸し駐車場に勝手に駐車された車への対応はどうすればいいでしょうか?

張り紙を張って「無断駐車には〇万円もうし向けます」の記載は有効でしょうか?

 土地の活用方法の一つとして貸し駐車場(月極等形態など)がありえます。貸し駐車場を営む上で無断で駐車されれば契約者に迷惑をかける面もありますし,料金を支払っていませんからオーナー側としても困るところです。

 

 街中で「無断駐車を見つけた場合には,〇万円もらい受けます」等の張り紙をしているものを見受けますが,こうした張り紙は有効でしょうか?まず,無断駐車をさせないように心理的な影響を与えるという意味では,契約外車両には相応のお金(割髙になる可能性がある)がかかりうることを示すことで意味はあるでしょう。ただし,実際に無断駐車をした方を見つけその費用を請求したものの相手が争ってきた場合に,必ずしも張り紙記載の金額を請求できるわけではないことには注意が必要です。

 

 あくまでも,ここで無断駐車をした方がお金の支払い義務を負うのは,無断駐車によってオーナーの所有権を侵害したからで,支払うお金は勝手に使った費用相当分のお金ということになります。言い換えれば,駐車場費用相当分が原則になります。高額な金額を記載したうえで,執拗にお金の支払いを求めると,逆にオーナー側に犯罪行為が成立する可能性もあり,無断駐車をした側に反撃の糸口を与えかねません。

 無断駐車をした車を動けなくする・車に傷をつける手段をとった場合にも,相手から車に傷をつけたことへのクレームといった形で反撃の糸口を与えることにつながりえますから,実際の対応(費用の支払いを求めること等)についてはよく注意をする必要があります。

勝手に車を撤去することは可能?

 結論から言えばできません。話はそれますが,アパートを課していて家賃の支払いが滞っている借主がいる場合に勝手に鍵やドアを変更することもできません。こうした行動は裁判などの法律で定められた手続きによらないで自分の権利を実現する「自力救済」と呼ばれるものですが,現在の日本の法律では基本的にはできません。例外というのも極めて賀ぎられた場合だけですから,まずこうした事はできないと考えておいた方がいいでしょう。

 こうしたことは,予め張り紙をして記載をしておいたとしても変わりません。

 

 それではどうするかという点では,先ほど触れた警告の意味の張り紙以外では実際に撤去を求める法律上の手続き等に出ることになります。そのためには止まっている車の所有者などを調べる必要があります。また,あまりに長く駐車をしている場合には,駐車場の業務を妨害することでの犯罪になる可能性もありえますので,警察に相談をしてみるのも方法でしょう。

 

 撤去を求める警告では対応が不十分な場合には裁判も考える・提訴することもありえます。その際には,多くは撤去とともに勝手においた期間の賠償も請求することになるでしょう。この請求は裁判例によれば,ローン付の車で(自動車検査証に記載があることもあります)・ローンの支払いが遅れ一括請求をローン業者から受ける場合には,ローン会社にも求めることができます。

 

 いずれにしても裁判後に別に撤去のための強制執行という手続きもする必要があります。無断駐車が長期化した場合には所有者の住居の調査などが大変になることもありますから,支障の程度と手間を考えて対応をしていくことになるでしょう。弁護士など専門家に相談をして対応を考えることもあるかもしれません。

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