法律のいろは

2016年5月17日 更新労働問題のご相談

解雇が無効になった場合の解雇期間中の給料はどうなるのでしょうか?

 実際には解雇かどうなのかが問題になるケースもありますが,解雇の場合は普通解雇であっても有効であることのハードルは高くなります。このハードルについては別の機会に触れたいと思いますが,法律上・裁判例上そう簡単に認められるものではありません。

 

 そのため,些細なことでもう明日からくる必要はない等の言動とともに実際に勤務ができないようにした場合には,解雇が無効になるリスクが出てきます。解雇が無効な場合に給料を支払う必要はあるのでしょうか?

 

 働きに出てきていないのに払う必要はないとの感覚があるかもしれません。ただし,法律上,会社の責任で働こうとしてもできない状況を作った場合には実際に働いていなくても,給料の支払い義務があります。解雇によってこうした事情を作った場合には原則として60%の休業手当を支払えばいいという話にはなりません。

 

 とはいえ,解雇を言われた後で従業員が他の仕事でお金を得ていた場合に,更に給料を全て支払わないといけないかというとそうはなりません。この場合に本来はしていないはずの仕事からの給料も受け取って,元々の仕事からの給料も受け取る場合には,二重取りになりかねません。

 

 法律上もこのような部分を差し引くことは認められています。面倒なのはそれでは全てを差し引けるかというとそうではないという点です。別に法律では会社側の原因によって従業員が働けない場合には給料の60%を支払うように定められているため,この点との折り合いをどうつけるかが問題となる点が該当します。

 

 裁判例では,ここでいう60%は従業員に確保させないといけないという意味合いであるとしています。言い換えれば,二重取りはダメだが,差し引けるのは給料の40%までということになります。ちなみに,ここでいう給料とは,解雇されなくても確実に支払われたものですから,残業代は含まれません。また,実際に使った交通費を穴埋めする通勤手当も含まれません。

 

 このほか,昇給などがどうなのか等色々と問題点のある所になります。

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