法律のいろは

2014年7月13日 更新時効管理

時効とは何?(消滅時効その②)

 時効とは何ですか?  

 こう聞かれて大体の方が思い浮かべるのは,刑事事件であと何年「犯人」が捕まらなければ時効になるという「時効」ではないでしょうか?これは,「公訴時効」と呼ばれるものですが,今回は以前のNHKの受信料の話と同じく「消滅時効」というものの話です。  

 「消滅時効」て何?という疑問は当然出てくるところです。  

 簡単に言うと,権利が使われないまま放っておかれている場合に,その状態で世の中が動いていることから,権利をなくす方法を与えたものということができるでしょう(厳密さには欠けますけど)。  

 法律上,①権利が使える時から一定期間(原則は10年)経って②時効を主張したいという意思表示が必要とされています。  

 この制度が問題となるのは,大体お金等の請求をされて,時効にかかっているから支払う必要はないという反論の段階です。何せ請求に応じないといけないのかが関わるので,シビアな問題になります。  

 NHKの受信料について触れた回で,意外と短い時間で時効にかかってしまうものの代表例を紹介しました。

 そのほか代表例として  

 ①不倫の慰謝料・交通事故の損害賠償等 ⇒相手(加害者)を知り・損害を知ってから3年  

 ちなみに,交通事故の後遺症が残る大けがの場合には「損害を知ってから」の時期をやや特殊に考えます。   

 ②交通事故の自賠責被害者請求 ⇒後遺症が残るものを除けば,事故時から3年(平成22年4月1日以降発生の事故,それ以前は2年)  

 後遺症が残る場合にはやや特殊に考えますが,詳しくは交通事故を取り扱う際に触れます。  

 ③商行為にもとづくお金の請求 ⇒5年  

 何が商行為かという問題がありますが,会社が行う行為の大半は含まれます。日本の法律上,商法や会社法で商行為と定められているものというのが簡単な答えですが,やや複雑なので,また触れたいと思います。   

 このほかにもいろいろな短い時効の期間があります。時間がたつまでに何かできないかと言われれば方法はあります。  

 それは,法律上の中断事由とされる事をするもので,中断となれば時効の期間はリセットされます。その方法は法律上5つ定められていますけど(代表的なものは3つ),ここでは承認と催告だけ触れます。  

 承認とは,時効によって利益を得る人が,権利があることを認めることを,時効によって不利益を受ける人に認めることです。たとえば,お金の請求を受けて,支払期限を延ばしてほしいという場合があたります。

 催告とは,簡単に言えば裁判以外の方法で催促(請求)することです。この場合には催促してから6か月以内に裁判の形で請求する必要があります。ちなみに,6か月以内に再度催促して,そこから6か月以内に裁判をすればいいとはなりませんので,注意が必要です。  

 いずれにしても,認めた・催促したといっても,後で証拠を残しておかないと言い逃れを受ける恐れがあります。きちんと書類に残しておくことが必要です。  

 難しそうですけど,日常のことでも問題になる重要なことだと思われます。

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