前回,時効管理の関係で内容証明郵便を複数回出しても意味はないという話をしました。今回はその補足となります。
そもそも,代金や料金の支払いがない場合には,請求書を出し続けるケースが多いのではないでしょうか?見積書もそうですが,請求書も社印や日付の記載がなされているのが普通です。この請求書を送付することの法律的な意味合いは何でしょうか?
実は前回触れた時効管理の意味合いで言えば,「催告」という効果があります。それは,請求書を送ってから6か月以内に裁判等を起こした場合には,時効期間をリセットすることができます。言い換えれば,前回に触れました内容証明郵便と同じく,複数回送ることで何度もリセットすることはできません。つまり,送っているだけではいずれ時効期間が経過してしまうリスクがあります。現在はまだ短い時効期間のものもあるので注意が必要となります。
請求書と内容証明郵便の違いは何かといえば,送る郵便の種類が異なる・異なることで送付した内容等の証明をしてもらえるという点になります。双方とも同じく請求を行っている点では同じになります。
実際の回収の可能性とかかる費用を見て,どのような手段をとればいいのかは変わってきます。回収できないと自社の経営に影響を与えかねない・けれども,回収できないリスクが高いなら費用をかけたくないというジレンマは大きなものです。
弁護士を活用して債権回収を行うか,とりあえず裁判所を使った簡単な回収手続きを自社で行いたいという見極めも必要なところであろうかと思われます。どのような手続きがあるのか等は次回に触れたいと思いますが,法的な回収手続きを行っても回収ができない可能性はあります。