法律のいろは

2022年5月21日 更新契約問題のご相談

会社の役員を降りた後も登記が残っている場合のリスクと対応法とは?

会社の取締役(役員)の責任と登記が残っていることでのリスクとは?

 会社に限りませんが,取締役など法人の役員として名前を連ねることは法律上の責任を伴う可能性があります。会社や社会福祉法人・その他各種の法人が法律によって規定されていますが,それぞれの法人の役員は権利や義務を法律で定められています。その中には権限や法的な責任(違反には損害賠償請求を受ける)ものも存在します。また,株式会社では,代表取締役以外の取締役は業務を代表して行うわけではありませんが,違法行為などが行われないよう監視する義務を負う等その責任は軽くありません。

 名前のみで迷惑をかけないということで役員に名前を連ねている場合でも,役員に名前を連ねていることは役員であることと変わりがありませんので,同様に責任を負う可能性があります。仮にこれが嫌で役員を降りる(辞任)をした場合でも欠員が出る場合(取締役がある会社では必要人数がありますから,足りないと後任者が決まるまで役員のままです)には降りたことにはなりません。登記がそのままであるということも,登記の意味合いとして役員が誰であるのかを示す⇒何かあった場合の責任追及の手掛かりとなるものですから,役員を降りても登記がそのままにされることには問題があります。言い換えると,役員を降りたことになっても登記がそのまま(登記の変更は会社あるいはその法人が行うことになります)であると,登記通りの役員であると信頼した方に対しては,実際は役員ではなくなったから知らないということはできなくなるという問題が生じます。

 

登記をなくすための方法はあるのでしょうか?

 通常は役員を降りたいと考えている場合には法人側との協議で解決するかと思われます。とはいえ,先ほど触れたように,毛rツイン補充が進まない場合やそもそも選任の手続きがない等の事情がある場合には,役員の地位にあるのかどうか問題になることもあります。降りたいけれども応じてもらえない場合にも同様の問題が出てくる可能性があります。そして,トラブルになる場合には話し合い自体ができないか折り合いがつかない場合なので,役員でない・登記を消したい側としては裁判で解消できるのかを試みることになると思われます。

 

 先ほど触れた欠員がいて降りても後任者が決まるまで下りられない場合は別として,そうでない場合には辞任の通知を法人側にすれば役員を降りることは可能です。当初の選任手続きがなされていないのに登記をされている場合や選任手続きについての問題が大きすぎる場合には,それゆえに選任がなされていないといえることをはっきりさせる必要があることもありえます。こうした場合に役員ではないことを確認することもできますが,退任した旨の登記(役員変更登記)を求めることができます。この根拠については争いがあるものの,こうした請求は裁判例上認められています。

 役員の欠員が生じる場合には,先ほど述べた通りすぐに役員を降りることはできない(後任者が決まり欠員がなくなる必要があります)ですが,欠員が埋まれば変更登記を求めることができるともできるとする見解も存在します。

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