法律のいろは

2016年5月16日 更新契約問題のご相談

契約(契約書)における「言葉」の大事さ(その③)

 契約や合意で決めていないことがどのように解釈あるいは考えられていくのかについて前回触れました。一つには,きっとこういう合意であったはずだという解釈を行うという方法が存在します。ただし,折り合いがつかない場合には交渉や裁判手続きでどうしていくのかを考えることもありえるところです。

 

 このほかに,法律上の任意規定と呼ばれるもので考えていくという方法もあります。この場合に契約の内容がパッと見てどういったタイプのものか分かりにくい場合には,法律で定められた典型的な契約タイプのうちのどれに近いのかを考える必要が出てきます。また,任意規定は本人の合意で自由に変えることができるものですから,任意規定の内容が嫌であれば予め合意をしておく必要があります。

 

 法律上の任意規定がある場合でも,契約をした本人らの業界にある慣習があり,その慣習によって契約をしたという意思がある場合には,慣習によって契約内容を考えていくことになります。面倒なのは,慣習が契約をした本人らにとって慣習である必要があるという点です。片一方のみにとって慣習であっては意味がありませんし,そもそも,こういった内容の慣習があるはずだ・いやないという状況であれば,トラブルの種になりかねません。

 

 もちろん,業界の慣行が存在し,普通その慣行に従うという内容があるのであれば,特に問題はないでしょう。

 

 こういったことでも合意の内容が定まらない場合には,信義誠実の原則に従ってこういったルール・合意があったはずだと考えることになります。ただし,折り合いがつかない場合にはトラブルになりかねません。

 

 こうしたことから,明確な業界慣行があるような場合を除き,明確に決めておくか・合意内容についてしっかりと話し合いをして解決ができるようにしておくことが必要です。話し合いは行き違いがある場合には面倒になることもありえますので,一番いいのは慣行や任意規定の内容も踏まえつつどんな内容にしたいのかを予めはっきりさせておくことがトラブルの防止には役立つでしょう。

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