法律のいろは

2019年5月18日 更新理美容・リラクゼーション

「痩せる」ことを期待して,受けたサービスの効果がなかったということを理由に返金を求められた場合に応じるべきなのでしょうか?

応じるかどうかを考えるうえでの考慮事項

 いわゆる「痩身効果を期待して,エステのサービスの提供が行われている場合に,「痩身」効果が出たかどうかでトラブルになる可能性があります。期待が強い場合には,お客様から契約の中途解約(取消)とともに,支払ったお金の返金請求を求められることがあります。こうした場合に,応じるかどうかは事実関係がどうであるのかを踏まえたうえで,法的にも認められるものといえるか・そうは言えなくても,経営判断から応じるかどうかというものがあります。

 

 後で触れますように,エステサービス提供によって「痩身」効果を約束していたといえるかが大きなポイントにはなります。ただし,同じサービスの提供がなされていたとしても,食生活その他から「痩身」になる場合と,とてもそうした事柄は期待できない場合もありうるなど,サービス提供の前提が異なることもありえます。「痩身」効果を約束していたとしても,そこには一定の前提(お客様側の食生活など)もありえますので,そこを満たしていない場合には法的な責任が生じるのかも問題となりえます。

 

 法的にどうであるのかは後で触れますが,こうした見通しのほかに,経営判断としてどうするかという問題があります。評判など様々な事柄を考慮して考えていく必要があります、

裁判でも認められる理由はあるか?

 裁判でどうなるのかという話は,法的に見てその取消あるいは中途解約(契約解除)の言い分に理由がありそうかというものです。ここで問題となるのは,契約解除をするには,「痩身効果」を約束した施術を行う契約だったかどうかという点です。こうした点は法令の規制により,提供するサービスの概要などを記載した書面の交付をする必要がありますので,まずはここが出発点になります。

 

 この中に,「痩身効果」を提供するという趣旨の記載があれば,こうした内容を提供していない場合には,その不履行ということになります。もっとも,先ほど触れましたように,「痩身効果」をうる前提というのがありますので,前提とした食生活などをとっていなかったのであれば,不履行ということはなくなりますので,この点も重要です。問題は,どのような生活をしていたのかを記録で残しておくという点もありますし,そもそも前提となる話を書面で交付しておく必要があるでしょう。ちなみに,ここを伝えることなく後になって吉備い食事制限が必要などという話を伝えた場合には,わざとお客様にとって不利な事実を伝えずかつそのことがあれば契約しなかったことであるということで,取り消しをしてほしい(この場合も返金を求められることになります)という話につながりかねません。

 

 また,問題の多くは勧誘の際に「痩身効果」があるといわれたという話が出てきた場合です。実際にそうした効果があったのかは担当の方に聞けばわかりますが,トラブルになる際には「言った言わない」の話になることがままあります。最終的にはお客様側で立証してもらう必要があるわけですが,事実の確認はきちんと店長などの責任のある方が行う必要があります。

 

 次に取消を受ける場合には,サービスの内容について事実に反した事柄を言っていた場合等が考えられます。こうした場合の事実に反した事柄の記載はパンフレットなど広告に該当することや勧誘の際の発言内容も含まれます。そのため,パンフレットなどの記載についてもトラブル防止のためきちんとチェックをしておく必要があります。ここは,「痩身効果」の前提として,施術+厳しい食事制限があるという場合には,そのこともきちんと伝えておく必要があります(この場合,先ほど触れましたように契約を取り消してお金を返してほしいという話になりかねません)。せっかくご契約いただいても後でトラブルになる・風評リスクを招くのでは意味がありませんので,同様に確認が重要となってきます。

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